【FRのBMWをオープンで手頃に楽む】BMW Z3(初代) 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.04.15 10:20  更新 : 2021.12.09 23:14

登場から月日は経ちますが、比較的丈夫なBMW Z3は手頃な価格で手に入る、魅力的な後輪駆動のロードスターです。数あるエンジンのバリエーションやウイークポイントなど、中古車を選ぶポイントを見てみましょう。

飛ぶように売れたハンサムなロードスター

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
オープンスポーツを復権させたマツダMX -5(ロードスター)。初代だけでなく、2代目もボディのサビの進行が進んでいる。そこで目を向けたいのが、BMW Z3

メルセデス・ベンツSLKという選択肢もあるものの、悪くいえば少し洗練され過ぎている。しかもボディの状態が良い、初代を見つけることは難しい。BMW Z3なら、そんなことはない。

BMW Z3(初代)
BMW Z3(初代)

1996年のデビュー当時は、今とは違った見られ方だった。激しさを求めたドライバーは、パワー不足と限界領域での薄いスリリングさを嘆いたかもしれない。だが安定したFRの操縦性に多くの人は満足し、ハンサムなZ3ロードスターは飛ぶように売れた。

筋肉質なボディとソリッドな組み立て品質も、人気を支えた。途中からは右ハンドル車も追加されている。

初代Z3の登場から25年近い時間が経っている。いま探すべきは、程々の走行距離と状態の良いボディ、信頼できそうな冷却系、崩れていないリアデファレンシャル・マウントを備えた、整備記録の整っている車両。

発表当初、搭載していたエンジンは、1.9Lの16バルブ直列4気筒エンジン。最高出力は137psだった。1年後、これぞBMWという2.8Lの24バルブ直列6気筒エンジンが追加。最高出力は188psだ。

どちらもトランスミッションは5速MTか5速ATが選べた。2.8Lエンジンは、MTよりもATの方が相性は良いようだ。

1999年になると1.9Lユニットは変更を受け、スポーツカーと呼ぶには物足りない115psの8バルユニットに置き換わってしまう。静止状態から10.4秒で100km/hに届いた。

4気筒と6気筒 複雑なエンジン構成

直後、最高出力148psの2.0L直列6気筒エンジンが登場する。翌年の2000年には2.2Lへと排気量を拡大。170psへとパワーアップし、0-100km/h加速は7秒を切った。

同じタイミングで、2.8Lの直列6気筒ユニットは3.0Lへとスイッチ。228psを獲得し、0-100km/h加速は5.8秒を実現している。4気筒か6気筒かを見分ける簡単な方法は、マフラーカッター。4気筒は1本出しで、6気筒は2本出しだ。

BMW Z3(初代)
BMW Z3(初代)

6気筒のパワーを受けるように、1.9L版よりも2.8L版のリアトレッドは広い。ソフトトップは電動となり、レザーシートも装備している。英国の場合、エアコンと17インチのアルミホイールは基本的にオプションだった。

当初はBMWのシングルVANOS、可変バルブタイミング機構が備わっていたが、後期モデルではダブルVANOSへとアップデートされた。

2000年の大幅なエンジン変更に伴い、すべてのZ3のリアトレッドは2.8L版と同じワイド版へと変更。フェイスリフトによって、テールライトのデザインとハイマウント・ストップランプの位置も見直されている。

同じタイミングで、インテリアも同様に変更を受けた。2.2Lのスポーツと3.0Lには、Mスポーツのサスペンションと17インチのBBS製アルミホイールも採用されている。

エンジンのバリエーションは多いが、中古のZ3は大まかに3種類に分類される。1.9Lの16バルブエンジンが1番安価。中堅なのが、1.9L 8バルブエンジンと、2.2Lエンジンのクルマ。そして一番高値で流通する、2.8Lと3.0Lのクルマ。

BMWの品質は悪くなく、オーナーは根っからのクルマ好きが多い。状態の良い車両を探すのに、苦労はしないかもしれない。

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