【詳細データテスト】 プジョー508SW エンジン車同様の快適志向 グリップとボディコントロールは上々

公開 : 2020.07.18 11:50

走り ★★★★★★★☆☆☆

508に搭載されるガソリンエンジンはすべて、ピュアテック180と呼ばれる180psの1.6Lターボだ。これにモーターアシストが加わるハイブリッドは225ps。1年くらいのうちには、モーターをもう1基追加した350ps級の仕様も登場する予定だ。

ガソリンユニットは、低回転域では静粛性が非つねに高い。走り出しや、大人しく流しているうちはじつに静かだが、速度が上がってもその傾向は続く。

エンジンはきわめて静かで、パワーも大衆車としては十分すぎるほど。スロットルオフでの減速具合は2段階の切り替えが可能だが、クリープが効いているので、ブレーキペダルを踏まない運転はできない。
エンジンはきわめて静かで、パワーも大衆車としては十分すぎるほど。スロットルオフでの減速具合は2段階の切り替えが可能だが、クリープが効いているので、ブレーキペダルを踏まない運転はできない。    Automobiles Peugeot

コラムマウントで、ステアリングホイールとともに回ることのないシフトパドルでエンジン回転を制御することもできる。だが、テスター陣はほとんどの間、ドライバーがシフトに介入せずとも、心地よく飛ばせることを実感した。

このクルマの排気量比出力は113ps/Lに達する。スペック的にみれば、普及版ファミリーカーとしてはハイパワーだ。そのためモーターは、それ自体が駆動力を発揮すると同時に、エンジンのターボが効きはじめるまでのトルクの谷を埋める補助デバイスとしても機能する。

電力のみでの走行もまた、選択することが可能だ。今後は、それを義務付ける都市も増えてくることだろう。フルチャージでの航続距離は公称50kmだが、それが実現できるとしても渋滞でスタートとストップを繰り返しているような場合に限られるはずだ。それでも、われわれがいつもテストを行う郊外のルートで、楽に30km台の距離を稼げそうではあった。

8速ATの変速はスムースで、走行中にレバーを後方へ1回引くと、ふたつのブレーキングのモードを簡単に切り替えられる。ひとつはゆったりと空走し、もうひとつはよりシビアに、スロットルオフで軽くブレーキを踏んだような制動力を発生する。ただし、発進時からつねにクリープが効いているので、ワンペダル運転はできない。

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