【詳細データテスト】 プジョー508SW エンジン車同様の快適志向 グリップとボディコントロールは上々

公開 : 2020.07.18 11:50

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

このところ、ワゴンにもプジョーにも見栄えのいいものが多かった。それゆえ、この508が、ボディの陰影がメタリックカラーほどはっきり出ないホワイトに塗装されていながら、非常に目を引いたとしても不思議ではない。

全長は約4.78m、全幅は約1.86m。浅目にスロープしたエレガントなクルマで、このセグメントのセダン/ワゴンに予想されるボディサイズの水準に達している。

充電ポートは左側のリアフェンダー、給油口のちょうど反対側に設置される。燃料タンクは後席下、その直後に駆動用バッテリーが搭載される。これに伴い、リアサスはマルチリンクからトーションビームに変更された。
充電ポートは左側のリアフェンダー、給油口のちょうど反対側に設置される。燃料タンクは後席下、その直後に駆動用バッテリーが搭載される。これに伴い、リアサスはマルチリンクからトーションビームに変更された。

プラットフォームは、PSAグループの大型モデルに使用されるEMP2。同じコンポーネンツはプジョー3008シトロエンC5エアクロス、DS7、そしてGM傘下から移籍してきたオペルヴォグゾールグランドランドXのベースになっている。

このプラットフォームということは、ボディ構造は一般的なスティール素材のモノコック。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがエンジン車ではマルチリンクを採用するが、ハイブリッドモデルは駆動用バッテリーを搭載するべく、よりコンパクトなトーションビームに変更されている。

他社の同クラスや、PSAの小型車向けのプラットフォームと比較した場合、異なっているのは電動化の方法だ。たとえばプジョーの小型車は、エンジン車とフルEVを用意することになる見込みだが、EMP2使用車はエンジン車とプラグインハイブリッドを設定する。

今回テストするのは後者のエンジン/モーター併用車で、ハイブリッド 225 E-EAT8 S&S アリュールというじつに長いグレード名がそれを表している。

フロントに横置きされるエンジンは1.6Lの4気筒ターボで、8速ATを介して前輪を駆動する。最高出力は180ps、最大トルクは 25.4kg-mで、エンジンとギアボックスの間に設置される111psの電気モーターでアシスト。

スペック表に記載されるシステム総出力は225psだが、トルクの総合値は公表されていない。これは、ふたつのパワーソースがトルクのピークを同時に発生するポイントがないからだ。

プジョーのSUVや、開発が進むプジョー・スポール・エンジニアード仕様では、後輪駆動用モーターをリアに追加した4WDが用意され、加速の活発さで前輪駆動版を上回る。

今回の前輪駆動版PHEVは、リア寄りのフロア下にマウントした11.8kWhの駆動用バッテリーにより、50km程度のEV走行を可能にしている。

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