【北米のファンクラブへ突撃】MR化したC8型シボレー・コルベットの反応は 後編

公開 : 2020.09.27 11:50

スポーツカーに対する情熱の奥深さ

「北米では、レストモッドの人気が高まってます。LS7型のエンジンとZ06用のサスペンションが、1960年のスタイルと完璧な組み合わせになります。現代的な性能と信頼性、操縦性が得られますから」

ラスベガス・コルベット・アソシエーション以外のメンバーも交えて、7世代のオーナーが意見を交わす。ミドシップへと革新的な進化を遂げたC8は、すでに彼らの認知を得ているようだ。

シボレー・コルベットとラスベガス・コルベット・アソシエーションのメンバーたち
シボレー・コルベットとラスベガス・コルベット・アソシエーションのメンバーたち

すでに注文済みの人もいる。コンバーチブルと悩んでいる人もいる。より高速でスパルタンな仕様の登場に期待する人もいる。C8を受け入れる態勢は、すでに整っている。

過去にも、献身的ともいえるファンが、モデルの進化を喜んで迎え入れる様子を目にしてきた。BMWが親会社となり生み出されたファントムは、ロールス・ロイスのユーザー層を広げた。フォルクスワーゲン率いるベントレーも、BMW時代のミニも、同様だ。

ファンクラブの会長、ベニータが話すとおり、アメリカ人のスポーツカーに対する情熱は、何十年もかけて培われてきた奥深さがある。1972年式のコルベットを持っているからといって、C6が嫌いだということはない。

相当に熱心なコルベット・ファンでも、さすがに直列4気筒を積んだハイブリッド版が仮に出たら、見方を変えるかもしれないけれど。

番外編:コルベットC8の走り

C8コルベットは、ミドシップの理想的なスーパーカーだと思う。シボレー製のスモール・ブロックは、とても強い個性を持っている。フォード製のV8エンジンより、はるかに心に響く。きっと2バルブの燃焼室が、影響しているのだろう。

アイドリングでわずかに振動し、素晴らしいサウンドを放つ。アクセルを踏み込めば、トルクが湧き上がり、クランクの回転数が勢いよく高まる。

シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)
シボレー・コルベット・スティングレイ(C8/北米仕様)

発表イベントでは、シボレーは完成したC8型コルベットの横に、シャシーのカットモデルを展示していた。アルミニウム製のモノコックは美しく、フェラーリアウディのロゴが刻まれていても、疑わないようなできだった。

新しいC8のコルベットは、どこかロータス製スポーツカーのような雰囲気がある。乗り心地でも、ハンドリングでも。ネバダ州の道は滑らかだったものの、C8のサスペンションはしなやかで、路面へスムーズに追従していた。

サーキットに出れば、ターンイン時にドライバーへ自身を与えてくれる、穏やかなアンダーステアの兆候を感じ取れる。ロータス・エスプリを思い出してしまった。

C8で唯一、筆者が不満に感じたのが、四角いステアリングホイール。設計者は、スクワクルと呼ぶ形状だ。でも、乗っているうちに慣れる。

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