ロータス・エリーゼS

公開 : 2012.05.08 11:56  更新 : 2017.05.29 19:25

■どんなクルマ?

生産開始16年目にしてますます強力になっていくロータス・エリーゼは、英国を代表する偉大なるスポーツカーとして十二分に認められるだろう。その評判の高さは、その洗練されたハンドリングからだけでなく、大物もを負かしてしまう神秘的なパフォーマンスから得られたものだ。しかし、2011年モデルからエリーゼRとエリーゼSCがそのラインナップから消えてしまったようなのだ。

その代わりヘイゼルはジュニア2シーターともいえる新しいSバージョンをリリースした。マグナソン製のスーパーチャージャーで過給されるトヨタ製の1.8リッター2ZR-FEエンジンは、217bhp/6800rpmと、かつてのSCと同じピーク・パワーを誇る。しかもトルクは、過去最も最速だったエリーゼの21.5kg-m/5000rpmから25.4kg-m/4600rpmにまで上がっているのだ。そして、重さは相変わらず1トンを切っている。

■どんな感じ?

ベーシックなシリーズIIIのパフォーマンスを大きく上回る。0-160km/h加速はスタンダード・モデルが19秒なのに対し、エリーゼSはたった11秒でしかない。また0-100km/h加速は4.6秒だ。これは遥かに高価で遥かにパワフルなポルシェ・ボクスターをほぼ1秒上回る数値で、今年の最初にテストをしたポルシェ911カレラよりも速い。

われわれはヘイゼルのロータス所有のサーキットでエリーゼSのテストを行った。公道を走る機会がなかったので、一般道でのインプレッションはまたの機会を待ってほしい。しかし、上昇したパワーとグリップが、エリーゼのダイナミックなレスポンスを少しも鈍くすることはなかったとレポートすることができる。

スタータ・ボタンをプッシュしても、ドラマティックなシーンは現れない。懐かしのSCに装着された凶悪なひび割れを起こしやすい物とは異なった上質なスロットル・ペダルをブリップすると、スーパーチャージャーのうなりが聞こえてくる程度だ。以前のモデルよりも個性的ではないが、旧いエリーゼが8000rpmでピークパワーを発揮するのとは異なり、もっと低い回転で取り乱さずにピークパワーを発揮する。また、低回転からトルクフルなのも評価に値する。旧いエリーゼよりも400rpmも低くトルクピークを迎えるだけでなく、全回転域にわたって太いトルクを発揮してくれるのだ。

例えば3000rpmであれば、1.6リッターのエリーゼは15.3kg-m、旧い1.8リッターのエリーゼSCは17.3kg−mのトルクしかないが、新しいエリーゼSは23.0kg-mのトルクを発揮することとなる。

これまではエキシージと2イレブンのオーナーにしか味わえなかったコーナリング・パフォーマンスとストレート・スピードがエリーゼSでも味わえるのだ。思い切りアクセルを踏み込めば、風がドライバーの頭の後ろで舞う時には、速度は160km/hを超えているはずだ。

サーキットでは、ホットハッチも、ほとんどのスポーツカーも敵ではない。ロマーノ・アーティオリの16歳の孫娘の名前を得たエリーゼは、完全なる安定性で、他のクルマを引き離す。それは驚くべき素晴らしいシャシー・バランスを持っている。インフォメーションをキチンと伝えてくれる完璧なまでのステアリングも最高だ。

ボディ・コントールは、コーナーをスムーズに、そして一番速いラインを狙うことを可能としてくれるし、そのグリッピング・パワーは大きい。限界付近での信頼性は非常に高い。これはミドシップのロードスターとしては信じがたいほど自由度が大きいクルマということができよう。

ブレーキ・ディスクも、その軽さとシンプルさのおかげでオーバーヒートすることもなかった。

パフォーマンス・マーケットではまれに見るクオリティを持っている1台ということができよう。タイトベンドをスロットルオンで抜けていても、次のコーナーでスピンするようなことはない速度と精度を持っている。挙動は予想しやすく、フロントが強力にグリップし、リアがゆるやかに流れだすといった具合だ。

旧いエリーゼは、その最後の部分で納得がいかない挙動をみせることがあった。シリーズ1ではコーナリング・ドリフトの際、カウンターステアがフルロック状態になってしまい、それを制御するのに大変だった経験がある。しかし、新しいエリーゼSはそのようなことはない。

あなたが望むのであれば、リア・ホイールをスライドさせることは簡単で、秀逸なハンドリングがそれを助けてくれるのだ。

■「買い」か?

36,00ポンド(466万円)は、2012年現在、新しいポルシェ・ボクスター、BMW Z4 28i、日産370Zなどと較べて非常にコンペティティブな価格だ。もちろん、その材質のクオリティについては、それらライバルと較べると我慢しなくてはならないところもあるだろう。しかし、そのパフォーマンスについては些かも妥協する必要はない。特にハンドリングにおいては。

(マット・ソーンダース)

ロータス・エリーゼS

価格 36,200ポンド(468万円)
最高速度 233km/h
0-100km/h加速 4.6秒
燃費 13.2km/l
Co2排出量 175g/km
乾燥重量 924kg
エンジン 4気筒1798ccスーパーチャージャー
最高出力 217bhp/6800rpm
最大トルク 25.4kg-m/4600rpm
ギアボックス 6速マニュアル

関連テーマ

 
最新試乗記