【ルノーの新世代!】新型ルーテシア試乗 最新ADASのインテンス・テックパックを評価 乗り心地、おもわず好感?

公開 : 2020.11.09 07:20  更新 : 2021.12.27 23:54

新型ルノー・ルーテシアに、日本で試乗。5代目の上位グレードは、先進運転支援をフル装備。ADASの使い勝手は、国産コンパクトカーと比べても魅力的と、レポートされています。走りの評価は、意外な発見がありました。

5代目にモデルチェンジ どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

単なる偏見と思われても仕方ないが、ルノー車にはデザイン先行メカ保守的のイメージがある。5代目となるルーテシア(クリオ)はその偏見を見事に打ち砕いた。

外観デザインは、事前情報がなくとも一目でルーテシアの新型と分かるほど、先代のイメージを残している。

新型のボディサイズは、4075×1725×1470mm。全長・全幅は、日本仕様では従来型より小さくなった。
新型のボディサイズは、4075×1725×1470mm。全長・全幅は、日本仕様では従来型より小さくなった。    前田恵介

車体寸法は多少コンパクト化されたものの、ほぼ先代を踏襲する。

個人的には大人っぽい雰囲気を纏ったくらいの変化で好感を持てたが、ビッグMCと言われても納得してしまう。

大きく変わったのはハードウェアである。

ルノー日産三菱アライアンスにより開発されたCFM-Bを採用。同プラットフォームを採用する初のルノー車となるが、国内向けの日産車と三菱車に採用モデルがないことから、日本では唯一のCMF-Bモデルとなる。

パワートレインは1.3Lターボと7速DCT。エンジンは、ミラーボア・コーティングによるライナーレス構造など、日産の技術を導入にされ軽量化と低摺動抵抗化は図られている。

「全身、次世代設計」と言いたくなる内容だ。

ゼンにも全車速ACC、BSM

今やコンパクトカーでもフル・モデルチェンジなら設定が当たり前になりつつあるACCなどの先進運転支援システム(ADAS)の導入は、新型の大きな注目点の1つである。

受注生産となるゼンも含めて、全車速型ACC、車線逸脱警報、標識認識、BSM、リアカメラなどを標準装着。

試乗したインテンス・テックパックに標準装備される360°カメラ機能。取材日は雨天だったが、俯瞰/後方映像は明るくはっきりと映し出された。
試乗したインテンス・テックパックに標準装備される360°カメラ機能。取材日は雨天だったが、俯瞰/後方映像は明るくはっきりと映し出された。    前田恵介

試乗したインテンス・テックパックには、加えて走行ライン制御型LKA(レーンキープアシスト)、俯瞰表示全周カメラなどが標準装着される。

前方の測距システムはカメラ/レーダー併用型を用いている。

システム概要を見るとキックス以降に採用されたプロパイロットを思わせるが、使用した印象もよく似ていた。

国産にも負けない? ADASの出来

ACCは、交通量が多く速度変化が頻繁な状況でも、穏やかな自動加減速制御を行う。

車線維持の支援操舵補助は、車線内蛇行や強引な操舵介入感も少なく、馴染みのいい制御。

全車速型ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)に加え、インテンス・テックパックでは、走行ライン制御型レーンキープアシストも標準装着される。
全車速型ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)に加え、インテンス・テックパックでは、走行ライン制御型レーンキープアシストも標準装着される。    前田恵介

後発なら当然という言い方もできるが、ADAS自慢の多い国産コンパクトカー対比でも使い勝手に優れている。

また、全車に7インチ・モニターのディスプレイオーディオを標準採用。

スマホとのミラーリング機能を備えるほか、OPにより独立型のナビ機能に拡張も可能。

なお、インテンス系には標準でBoseサウンドシステムも装備。実用性もプレミアム感も車格以上である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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