【高性能PHEVワゴン対決】前編 電動化時代の高性能 三者三様のシステム 乗り味ソフトなプジョー

公開 : 2021.08.28 11:05

エンジン車とEVの橋渡し役として存在感を増すPHEVは、パフォーマンスカーの世界でも幅を利かせはじめました。なかでも注目のプジョー508SW PSEを中心に、スポーティなPHEVワゴン3台を集め実力を探ります。

新時代のパフォーマンスカー

執筆:James Disdale(ジェイムズ・ディスデイル)
撮影:Luc Lacey(リュク・レイシー)

パフォーマンスカーとなると、気になるのはデータだろう。パワーやトルクの大小、加速性能を示すタイムなどを見比べて、机上で優劣を判断する材料としているのではないだろうか。

ところが、これまで長く馴染んできた内燃機関のみで走るクルマは、2030年以降新たに生まれることを禁じられてしまった。となると、各メーカーはそれに代わるものを見出さねばならない。そうして、新種の動力が続々と登場してきている。

エンジン車の残り時間が設定された上に、高性能車の税制が不利なお国柄にあるプジョーにとって、ハイパフォーマンスなPHEVは必要不可欠なジャンルだ。
エンジン車の残り時間が設定された上に、高性能車の税制が不利なお国柄にあるプジョーにとって、ハイパフォーマンスなPHEVは必要不可欠なジャンルだ。    Luc Lacey

大出力や恐るべき速さの加速タイムは、相変わらずアピールポイントであり続けている。しかし、それと同じくらい重視されるようになってきたのが、CO2排出量の少なさや、電力のみでの航続距離の長さだ。いまや、ハイパフォーマンスなプラグインハイブリッドが時代の主役になりつつある。

これに諸手を挙げて賛同しようというのがプジョーだ。速いモデルの将来的な成功は、すべてその新たなパワートレインに賭ける道を選んだのである。かつては最高レベルのホットハッチメーカーに数えられた青きライオンは、今や電動化に力を注いでいる。

そうなった理由のひとつは、もちろん変わろうとしている法的な規制にある。そしてもうひとつが、フランス国内市場に特有の税制だ。フランスでは、伝統的にハイパフォーマンスモデルの課税率が高い。スーパーマシンにとってみれば、スーパーマンの力を奪うクリプトナイトのような弱点となっている。高性能でありながら納税者たるユーザーの負担を軽減することは、商売的に不可欠なのだ。

そのクリプトナイトにインスパイアされたグリーンのロゴを、プジョーのスーパーワゴンである508SWプジョースポール・エンジニアード(PSE)が用いるのはおもしろいところだ。このPSE仕様のフラッグシップは、おそらくプジョーの歴史において、205GTi以降でもっとも重要なパフォーマンスモデルだろう。

そうはいっても、これは大柄なワゴン、もしくはセダンで、軽量コンパクトな過去の俊足ハッチバックとはカテゴリーの違うクルマだ。しかし、このスマートで高性能な大型車は、プジョーの今後のホットモデルに関する方向性を決定づけるものだといえる。

そして、その責任があまりにも重大だったので、PSEはメインストリームモデルのその他大勢に加わるのではなく、プレミアムブランドをライバル視したクルマ造りと価格設定をしている。たとえば、オーリンズの手動調整式ダンパーを備えたポールスター仕様のボルボV60や、プラグインハイブリッド版では初めて四輪駆動と室内の広いツーリングボディを選べるようになったBMW3シリーズなどに対抗するものだ。

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