マツダCX-5 新型の注目は、3つのスタイリング SUV市場は多様化へ

公開 : 2021.11.08 11:30  更新 : 2021.12.13 21:15

マツダCX-5がマイナーチェンジ。これまでの都市型SUVのイメージだけではありません。泥の似合う「フィールドジャーニー」など、新たな仕様が登場。

世界では大黒柱 上半期に20万台販売

今のマツダでいちばん売れている車種は何か。

10月28日に発表された2021年4~9月の生産・販売状況によると、もっとも台数が多いのはCX-5で20万2026台。次がマツダ3の11万5274台、CX-30の11万3658台となっている。

改良新型マツダCX-5 XDスポーツアピアランスの用品装着車(ソウルレッドメタリック)
改良新型マツダCX-5 XDスポーツアピアランスの用品装着車(ソウルレッドメタリック)    宮澤佳久

グローバル販売の合計は66万197台なので、実に3割をCX-5が占めることになる。2012年の初代発売以来の累計販売台数300万台以上という数字を含め、今のマツダにとって大黒柱的存在と言っていいだろう。

一方でマツダは同じ10月の7日、2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表してもいる。

米国新工場でCX-50を生産するとともに、直列6気筒エンジンも搭載するラージ商品群としてCX-60CX-70・CX-80・CX-90を、順次導入していくとした。

ここだけ読むとCX-5もCX-50にスイッチするように思えるが、さすがに売れ筋の車種を消滅させたりはしない。

実はこの計画ではCX-5についても触れており、今後も継続的な商品改良によってデザイン進化やモデルラインナップの拡充を図るとともに、最新の安全技術・コネクティビティ機能を導入して商品力を強化し続け、大切に育てていくというメッセージが出されている。

今回の商品改良もその1つと言えそうだ。ではどのように改良を行ったのか。

改良型のデザイン ポイントは?

まずデザインから見ていきたい。といっても、ボディパネルには変更はない。フルモデルチェンジではないということもあるが、それ以外にも理由がある。

今のマツダのデザインと言えば「魂動(こどう)」の2文字を思い浮かべる人も多いだろう。

改良新型マツダCX-5 20Sフィールドジャーニー(ジルコンサンドメタリック)
改良新型マツダCX-5 20Sフィールドジャーニー(ジルコンサンドメタリック)    宮澤佳久

この魂動デザイン、初代CX-5とともに市販車に導入されてから不変というわけではなく、2019年にデビューしたマツダ3とCX-30で、フェイズ1からフェイズ2に切り替わっている。

この間2017年に登場した現行CX-5は、フェイズ2のエッセンスを一部に導入していた。

具体的には要素を削ぎ落としたシンプルなフォルム、研ぎ澄まされた繊細な光の表現でクルマに生命感を吹き込む「引き算の美学」は取り入れてあった。よってボディパネルには手をつけなかったそうだ。

そのうえでフロントバンパーは線を減らし、フェイズ2の特徴である面の移ろいを見せるようにした。

ヘッドランプはこれまでの丸から横長の楕円基調に変え、2つの楕円をオフセットして配置している。これまでは繊細なラインで描いていたグリルのシグネチャーは、たくましさを感じる厚みのある仕立てになった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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