30歳以下のコンクール・デレガンス 後編 スピットファイアMkIII/BMW Z1 ほか

公開 : 2021.12.19 07:06

ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1979年)

オーナー:ドミニク・テンプル氏

欧州で開かれるコンクール・デレガンス・イベントでは、めったに見かけることのないポンティアック・ファイヤーバード・トランザム。25歳だという、ドミニク・テンプル氏の愛車だ。

ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1979年)とドミニク・テンプル氏
ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1979年)とドミニク・テンプル氏

このトランザムは1979年式で、香港へ納車されたという珍しい1台。右ハンドル車でもある。「香港で幼い頃を過ごしていて、このクルマの存在は以前から知っていました。最終的に2015年に買うことができたんです」

しかし、ドミニクは古いアメリカン・マッスルカーにはあまり興味を持っていなかったとも話す。「実際、こんなクラシックカーは探していませんでした。MGBのようなスポーツカーを考えていたんですよ」

「でも、トランザムが売りに出ているのを知り、見逃すことができなかったんです」。そう話すドミニクは、結果的に3番目のオーナーとなった。

「素晴らしい経験を与えてくれます。完璧なクルマと呼ぶには程遠いですが、多くの人は楽しそうに眺めていきますね。それがうれしい」。1970年代のアメリカン・マッスルカーは、本人も楽しませているようだ。

ミニ1275 GT(1980年)

オーナー:トム・クラーク氏

クラシックカーという趣味の世界へ、幼い頃から無意識のうちに一歩を踏み出していたという人も少なくない。トム・クラーク氏のガレージにミニが収まることも、運命だったのだろう。

ミニ1275 GT(1980年)とトム・クラーク氏
ミニ1275 GT(1980年)とトム・クラーク氏

「自分の名付け親が、わたしにミニ1275 GTのミニカーを買ってくれたんです。それ以来、どこへでもそのミニを持ち歩いていました。クルマはミニ以外、考えられませんでしたね」。21歳のトムが経緯を振り返る。

大好きなおもちゃの、実物大のクルマを探すことに決めたトムは、オークション会場へ足を運んだ。1275 GTが出品されていた場所へ。祖父がトムに残したお金で、弱冠10歳の彼はオリジナル・ミニのオーナーとなった。

このミニはワンオーナー車で、走行距離は僅か4万5000kmほどだ。「レストアの際に、もとのデニムブルーに塗り直しています。新車時のオプションだったライトブルーのガラスと、完璧にマッチしていると思います」

「デッキチェアのシートはオリジナル状態。エンジンはミニを専門に扱うオセリ社へリビルドを依頼し、戻ってきたばかり。ここでクルマを展示できて良かったです。素晴らしい反応で、うれしくなりました」

記事に関わった人々

  • ジェームス・バニスター

    James Bannister

    英国編集部ライター
  • ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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