北米にマツダブーム到来? 過去最高の月販のワケ 北米で「マツダ」どう思われてる?

公開 : 2021.12.13 11:35  更新 : 2022.03.25 18:49

マツダファンはどんなイメージを?

ところで、個々のモデルではなくアメリカのマツダファンが抱くマツダのイメージはどのようなものだろうか?

またどんな理由でマツダを選んでいるのか?

街中を走るマツダ6
街中を走るマツダ6    加藤博人

――アメリカのマツダ車オーナーの特徴、どういう理由でマツダ車を選んでいるのでしょうか?

「ロードスター(MX-5)やロータリーエンジンなど、もともとマツダブランドに熱狂的なファンも一定数いらっしゃいますが、近年の販売拡大を牽引しているのはいわゆるIA(Independent Achiever)と呼ばれる、年齢を問わず野心的で、自分の持つ道具にこだわりがある新しいオーナー層が、これまで保有していた欧州などのプレミアムブランドから徐々にマツダを選び始めています」

「マツダ車を選ぶ理由としては、洗練されたデザインと走りといった世界共通のマツダ高評価の理由に加え、パワフルな走りやAWDの走破性、優れた安全性能などが、とくに広大で気象状況が激しいアメリカで徐々に高評価を得ていると推定されます」

なるほど! IAと呼ばれる人たちが、欧州プレミアムブランドからマツダ車を選択しつつあるという。

ちなみに、マツダ車への評価の高さは、もちろん販売台数の伸び方を見てもわかるわけだが、もう1つ、注目すべき調査結果がある。

それは、アメリカで1936年に創刊された長い歴史と絶大な信頼に支えられた消費者雑誌「コンシューマーレポート」の調査結果である。

マツダはコンシューマーレポートにて2021年自動車ブランド総合ランキングで1位に選ばれている。10位までのブランドは以下。

1位:マツダ
2位:BMW
3位:スバル
4位:ポルシェ
5位:ホンダ
6位:レクサス
7位:トヨタ
8位:クライスラー
9位:ビュイック
10位:ヒュンダイ

「最も信頼性があるブランド」

コンシューマーレポートで最高評価を得たマツダだが、同誌ではどのようにブランドを評価しているのか?

ベースとなっているのは個々のモデルに対するテスト結果である。

マツダCX-50
マツダCX-50    マツダ

各モデルの総合スコアを見て、ロードテストのパフォーマンス、予測される信頼性、所有者の満足度、および安全性を考慮してレポートカードを編集し、それらすべてを平均して、ブランドの総合スコアを算出する。

そして得られた結果が総合1位という結果である。同誌のブランド紹介でマツダ車は以下のように紹介されている。

「この小さな自動車メーカーは、運転する楽しさを存分にモデルに組み込むことでとても良く知られています。軽量なボディ構造と効率的なエンジン技術を採用し、ハイブリッド技術やその他の高度な技術に頼ることなく燃費を向上させることにも成功しています」

「マツダ車はほとんどの場合、どのモデルであっても軽快なハンドリングを提供します。30年以上前にデビューしたMX-5ミアータロードスター(マツダ・ロードスター)は最新モデルになっても競合メーカーがベンチマークとするスポーツカーであり続けています」

マツダ3とマツダ6はどちらも快適で、内部がきれいに仕上げられています。CX-5とCX-9 SUVのわたし達のテストでうまく機能しました」

「全体として、マツダの新しいモデルは、現在すべてのブランドの中で最も信頼性があります」

「現在すべてのブランドの中で最も信頼性があります……」マツダはアメリカの権威ある消費者雑誌によって最高の評価を得たようだ。

「日本の小さな自動車メーカー」がこのように評価されるのは日本人としても実に誇らしい。

そしてマツダ車は伝統的にカリフォルニアを中心とした西海岸、ニューヨークなどの東海岸の都市圏において人気が高いとのことだが、近年はブランド価値の浸透によって全般的に全米でシェアが上がってきており、マイアミやテキサスなど、経済発展の著しいエリアなども人気が高まってきているという。

SUVを中心にアメリカで高評価を獲得しつつあるマツダブランド。

11月に発表された新しいSUV「CX-50」の評価も楽しみなところである。

記事に関わった人々

  • AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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