成功のモデルチェンジ プジョー308 ハイブリッド180へ試乗 機敏で滑らかなPHEV

公開 : 2022.05.21 08:25

3代目へモデルチェンジした、プジョー308のPHEV版へ試乗。好印象なデザインと機敏な走りを英国編集部は評価します。

印象的で魅力的なデザインの3代目308

プジョー308がモデルチェンジを果たした。最新のデザイン・トレンドを身にまとい、英国や日本へも、しっかり右ハンドル車が導入される。過去には下一桁の数字が変わることも珍しくなかったモデル名だが、308は3世代続いたことになる。

実際のところ近年では特に、プジョーのモデル名は多くが8で終わっている。アイデンティティとして、過去や現在のモデル群との正当な関係性の構築が目的なのだろう。

プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアム(英国仕様)
プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアム(英国仕様)

主要市場の1つ、中国では8という数字は縁起が良いとされているが、それが理由ではないはず。むしろ10年前ほど、彼の地でのプジョーのシェアは高くない。

さて、3代目へ一新した308だが、プラットフォームは先代が採用していたものを大幅に改良。1.2Lターボガソリンと1.5Lターボディーゼルという2種類のパワーユニットも、基本的には継続登用だが、しっかりアップデートを受けている。

2種類のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)はまったく新しい。今回試乗したのは、PHEV版のハイブリッド180だ。純EVとなるe-308も、2023年には登場予定にある。

最新の308のスタイリングは、現代のプジョーが展開するデザインの進化版と捉えられる。フレンチ・ブランドとして、美学が磨き込まれている。当初、このデザインテイストは斬新に思えたが、時間とともに少し見慣れてきたように思う。

308の容姿は、印象的で魅力的。スリムなプロポーションであり、とてもシャープだ。全長は先代から約90mm伸びているが、変わらずコンパクトなハッチバック然としている。

荷室とリアシートは若干狭め

車内空間は、フロントシート側はゆったりしている。だがリアシート側は頭上も膝前も、あまり余裕は感じられない。フォルクスワーゲン・ゴルフホンダシビックなどの方が、大人4名との親和性は高い。

ファミリーハッチバックとして、主に子供を乗せる前提といえる。ただし、ホイールベースが長いステーションワゴンの308SWでも、広々とは感じられないことも確かだ。

プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアム(英国仕様)
プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアム(英国仕様)

荷室空間は、先代より若干狭くなった。PHEV版では、内燃エンジン版よりさらに少し容量が削られている。ハッチバックの場合、欧州ではリアシート以上に荷室の広さが重視されることも多く、プラスポイントとはいえないだろう。

運転席に座ると、メーターパネルが高い位置に据えられ、小さめのステアリングホイールが低い位置に伸びた、プジョーが提唱するiコクピット・レイアウトが迎えてくれる。少し違和感を覚える人もいると思う。

メーターパネル全体が見えるようにするには、上部が平坦になったステアリングホイールをかなり下へチルトする必要がある。それでも交差点などで切り込んでいくと、メーターパネルにリムが掛かってしまう。

運転する時間が長くなれば、違和感も自然と解消される。人間工学的に、他メーカーの一般的なレイアウトより優れるのかどうか、筆者には回答が難しい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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