新型シボレー・ブレイザーEV 航続515kmの電動SUV登場 欧州市場導入の可能性も

公開 : 2022.07.20 06:25

シボレーは、新型ブレイザーEVを北米で発表しました。同名のエンジン車とは無関係の完全電動モデルで、テスラ・モデルYのライバルとして欧州導入の可能性もあります。

高性能の電動SUV 車内に17.7インチ画面も

ゼネラルモーターズ(GM)は、新型シボレー・ブレイザーEVを公開した。テスラモデルYフォードマスタング・マッハEに対抗する電動SUVとなる。

内燃機関車のブレイザーとともに販売されるが、ドライブトレインや構造などは全く異なる完全EVである。車高は内燃機関車よりも低く、全体的なデザインも独自のものとなっている。

シボレー・ブレイザーEV
シボレー・ブレイザーEV    シボレー

航続距離は仕様により398~515kmとされている。最大190kWの充電が可能だ。全車に17.7インチのタッチスクリーン・インフォテインメントシステムを標準装備している点も特徴の1つ。

エントリーモデルの「1LT」は前輪駆動のみで、「2LT」と「RS」モデルには四輪駆動が用意されている。

スポーティな「SS」モデルは、2トーンカラー、ブラックルーフ、専用フロントグリル、22インチホイールなど、アグレッシブなスタイリングを備えている。

また、SSモデルには最高出力557psと最大トルク89.5kg-mを発揮するデュアルモーターを搭載。0-100km/h加速を4.0秒未満に短縮する「Wow」(ワイドオープン・ワット)モードも搭載されている。

シボレーのスコット・ベル副社長は、「ブレイザーEV SSは、スポーツカーの魂を持っています。シボレーのEVラインナップの中でも最高峰の性能ですが、どのモデルもパフォーマンスマニアに驚きと喜びを与える、刺激的な性能を備えています」

ハマーEVと構造共有 欧州本格導入も視野

初代シボレー・ブレイザーは、当時のフォード・ブロンコに対抗する高性能2ドアSUVとして1969年に登場した。1995年にタホが登場するまで3世代にわたって販売されたが、2019年に新型SUVとしてその名が復活した。

今回発表されたブレイザーEVは、ガソリンエンジン搭載の同名車とは構造的にまったくの無関係である。GMの第3世代EV専用プラットフォームを使用し、GMCハマーEVやキャデラックリリックと同じアルティウム・バッテリーを搭載する予定である。

シボレー・ブレイザーEV
シボレー・ブレイザーEV    シボレー

米国とカナダではヒットする可能性があるが、今のところ、欧州市場や日本への導入予定は確認されていない。

しかし、GMのメアリー・バーラCEOは、米国メディアのCNBCに対し、「完全EVブランド」として欧州市場に復帰する可能性があり、「それを楽しみにしている」とまで発言している。欧州市場では、5年前にオペル/ヴォグゾールをPSAグループ(現在はステランティス傘下)に売却してからGMの本格的な導入は行われていない。

GMはすでに欧州事業を強化しており、責任者としてマフムード・サマラ氏を任命している。

同社は自動車専門メディアAutomotive News Europeの取材で、「彼(マフムード・サマラ氏)の使命は、現在の事業を、従来とは異なるモビリティ・スタートアップに変えていくことです。当社は、欧州のどこで、どのように参入するかについて、慎重に決定します」と語っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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