HVハッチバック乗り比べ ホンダ・シビック トヨタ・カローラ 半世紀の進化の現在地 前編

公開 : 2022.12.10 09:45

約50年の進化を重ねてきたシビックとカローラ。2台のCセグメント・ハッチバックの特徴を、英国編集部が確認しました。

半世紀の進化を重ねたハッチバック

生物の進化では、ある類似した特長へ収束する傾向があるそうだ。異なる地域で暮らす異なる系統の生物であっても、生態的に近い地位にある場合は、互いに体型や特性が似ていくのだとか。モグラとケラが似ていることも、それが理由だという。

そんなことが、日本メーカーのCセグメント・ハッチバックでも起きている。ホンダシビックトヨタカローラ(カローラ・スポーツ)は、約半世紀に渡って世界中で愛されてきたファミリーカーだ。

ブルーのホンダ・シビック e:HEVとホワイトのトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド
ブルーのホンダ・シビック e:HEVとホワイトのトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド

これまで進化を重ね続け、最新版が今でもわれわれの身近な場所にある。シビックの誕生は1972年。カローラは1966年と、6年ほど先輩ではあるが。

この2台は、各世代で多様なメカニズムを搭載してきた。カローラは当初後輪駆動だったし、クーペが誕生したこともあった。しかし、現在のパッケージングはかなり似ている。

最新版は前輪駆動の5ドア・ハッチバックで、シリーズ・パラレル方式と呼ばれるハイブリッドを搭載する。ガソリンエンジンに発電と駆動を担う2基の電気モーター、電気式無段変速機(e-CVT)と呼ばれるトランスミッションが組み合わされている。

そんな11代目ホンダ・シビックが英国へ上陸した。トヨタも、カローラへアップデートを施した。この機会に、2台のハッチバックを比較してみよう。

先代と大きく見た目の印象が異なる11代目

ホンダは、先代モデルとのスタイリングのつながりを重視しない。今回も大きくイメージチェンジを図ってきた。

1983年のボクシーなデザインもあったし、2005年の宇宙船のような見た目も特徴的だった。だが、直近の2世代は今ひとつシビックとしての訴求力が薄かったように思う。

ブルーのホンダ・シビック e:HEVとホワイトのトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド
ブルーのホンダ・シビック e:HEVとホワイトのトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド

11代目はこれまでと印象が大きく異る。スタイリングはシャープで、プロポーションも良い。若干リアの仕上げにぎこちなさはあるものの、全体的にはスポーティで好印象だ。

ボディサイズはCセグメントとしては大きめ。全長は4551mmで、ハッチバックのカローラより181mmも長い。

寸法としてはひと回り小さいカローラだが、市街地での存在感は劣らない。英国での販売が始まってから4年が経過するが、新鮮味は薄れていない。市街地で頻繁に出くわすから見慣れているが、改めて観察するとカッコいい。

トヨタは2023年仕様としてカローラにフェイスリフトを施したが、スタイリングにはさほど手を加えなかった。ライトまわりとバンパーのディティール、アルミホイールなどがリフレッシュされている。

改良の中心はメカニズム。2.0L版ハイブリッドは6ps最高出力を高め、CO2の排出量を3g/km減らし、0-100km/h加速を0.3秒縮めている。1.8L版のハイブリッドも、駆動用モーターなどが大幅に新しくなっている。

アクティブ・セーフティ機能も更新され、大きなインフォテイメント用タッチモニターや、新しいメーター用モニターなども獲得している。シビックとの戦いへ備えるように。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    トニー・ベイカー

    Tony Baker

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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