登場から変わらぬ訴求力 フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目) 英国版中古車ガイド 推しはTDI

公開 : 2023.02.15 08:25

高完成度の実用モデルをお探しなら、パサートのワゴンが最有力だとする英国編集部。中古車で、その魅力を再確認します。

高い訴求力を備える8代目パサート

登場から10年近くが経過する、8代目のB8型フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント。運転しやすく、長距離も快適で、洗練されたインテリアを備えるステーションワゴンをお探しなら、今でも訴求力は高いままだ。

欧州での発売は2014年だが、見た目はモダンでスタイリッシュ。一方、登場からある程度の年数が経っているため、中古車市場では思わず惹きつけられそうな価格で販売されている。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

ガソリンエンジンの8代目パサートは、すべて4気筒。TSIと呼ばれている。英国仕様の場合、当初は1.4Lターボが125psか150ps、1.8Lターボが180psという設定。2.0Lターボでは、189psか221ps、271psの3種類から選択できた。

現行モデルらしく、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)もラインナップする。こちらは1.4Lガソリンターボに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は218ps。フォルクスワーゲンはGTEと呼んでいる。

電気の力だけで走れる距離は、フェイスリフト前なら最長48km。2020年施されたフェイスリフト後では64kmに伸びた。日本仕様では2022年が境目となる。それと前後し、1.4Lユニットは1.5Lへ置き換えられてもいる。

英国の場合、支持を集めたのはディーゼル・ターボエンジン。これも4気筒のみの設定で、1.6Lが119ps、2.0Lでは150psか189psを発揮する。244psの2.0Lツインターボ版も存在した。

2020年、ディーゼルの1.6Lターボと2.0Lツインターボが終了。2.0Lターボ版に、121ps仕様が追加されている。

充実の装備に優れた実用性

英国仕様のパサートで当初選べたトリムグレードは、SとSE、SE ビジネス、GT、Rラインという5種類。装備は充実しており、エントリーグレードのSでも熱線内臓のミラーや前後のパワーウインドウなど、必要そうなものは一通り付いてくる。

一般的に選ばれたのはSE以上。オートワイパーにオートライト、前後のパーキングセンサー、ナビゲーション・システムなどが装備されている。GTにはオートエアコンとシートヒーター、アダプティブ・サスペンションなどが追加される。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

見た目がスポーティに仕立てられるのが、トップグレードのRライン。装備もさらに充実する。

フェイスリフトに合わせて、トリムグレードも更新されている。英国では2020年からSEナビ、SEL、Rラインという3段階になった。エントリーグレードでも、8.0インチのインフォテインメント用タッチモニターが装備され、音声認識機能を実装する。

SELにはルーフレールとプライバシーガラス、シートヒーターを装備。Rラインではキーレスエントリー・システムなどが追加された。

フェイスリフトの前後に関わらず、パサートのゆとりある車内空間が生む実用性は変わらない。荷室容量はトノカバー下で650Lもあり、リアシートには身長が180cmを超えるような大人でも快適に座れるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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