シトロエンe−C4X 詳細データテスト 

公開 : 2023.05.13 20:25  更新 : 2023.06.09 15:57

シトロエンが送り出す、CセグメントのセダンをSUV的に仕立てた稀有なクロスオーバー。そのEV版は、最新EVに期待されるようなパフォーマンスはないものの、シトロエンらしく快適。価格に対する装備の充実度は高めです。

はじめに

いまだに、可能な限り多くのニッチマーケットへSUVを送り込もうとしているメーカーは数多いように見受けられる。しかしごく一部、たとえばシトロエンあたりは、少なくとも車高が低めでスマートな選択肢へ回帰しようとしている顧客がいると、明らかに確信していると見える。

ステランティスのフランス部門によって投入される、新たなクロスオーバータイプのモデルを追いかけるのは、じつのところ難しくなってきている。2021年にはシトロエンが、地上高を引き上げたファストバックのC5Xを、翌2022年にはその兄弟車である408をプジョーが、それぞれ発表している。

テスト車:シトロエンe-C4Xシャイン
テスト車:シトロエンe-C4Xシャイン    LUC LACEY

今回のテスト物件は、C5Xと同じようなスタイルではあるものの、よりコンパクトで安価なC4X、そのEVバージョンだ。表面上はC4ハッチバックの拡大版だが、その中身は車名から想像するようなものではないといえる。

つまり、C4をリフトアップしてクロスオーバー化しただけのクルマではないということだ。全長は伸び、大きな荷室が与えられ、細長く引き伸ばされたプロポーションとなっている。その結果、今あるいかなるクロスオーバーよりも、1980〜90年代に見られた中型ハッチバックがベースのセダンを思わせるクルマができあがった。

5ドアハッチバックのクロスオーバー的なものとなった現行C4から、SUV的なデザインのDNAを数多く受け継いだ今回のe-C4X。クロスオーバーSUVにも、ハッチバックにも、そしてセダンにも見えるスタイリングを得たわけだが、これは紛うことなきシトロエンだ。言い換えるなら、100%普通じゃないクルマである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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