誰も知らないマイナー車 40選 前編 名車の影に隠れた不運でマニアックなクルマたち
公開 : 2023.07.16 18:05
100年にわたってさまざまな自動車が設計・製造されてきましたが、そのすべてを知る人はおそらくいないでしょう。今回は一部のマニアしか知らないような、世界的に知名度の低いクルマを紹介します。
もくじ
ーマニアしか知らないクルマたち
ーアルピーヌA106
ーアウディ・フロント
ーアウト・アヴィオ・コルトルツィオーニ815
ーベンツ・ヴェロ
ーBMW 700
ービュイック・シリーズ50スーパー
ーキャデラック・シリーズ72
ーカーターカー
ーシボレー・ヨーマン
ークライスラー・エアストリーム
ーシトロエンGS
ーデ・トマソ・ヴァレルンガ
ーDKW F2
ーフェラーリ208ターボ
ーフィアット1100
ーフォード・モデル18
ーGMCサイクロン
ーいすゞ・ピアッツァ・ターボ
ーランボルギーニ・イスレロS
ーランチア・アルデア
マニアしか知らないクルマたち
およそ1世紀半の間に、実にさまざまな自動車が設計され、製造され、販売されてきた。そのすべてを知ることは誰にもできないだろう。
住んでいる地域や年齢、自動車史への興味の強さなどによって、存在すら知らずに通り過ぎてしまったものもたくさんあるはずだ。また、かつて大量生産されたにもかかわらず、忘れ去られたものも少なくない。
知識の幅を広げるために(広げる必要があると感じたら)、今回は40のメーカーの中から、世界的にもあまり知られていないモデルを紹介したい。もちろん、このうちのいくつかを知っている可能性は十分にあるし、もしかしたら実際に運転したこともあるかもしれない。
しかし、いずれも世界的には一部の人にしか認識されていないようなマイナーなモデルだ。本稿を通して、新しい発見があれば幸いである。
アルピーヌA106
今日のアルピーヌA110は、実によく知られたスポーツカーだろう。1960年代に登場し、ラリーでも活躍してきた初代A110を現代に復活させたクルマだ。
初代A110は、実はアルピーヌの歴史上3番目のモデルである。最初のモデルはA106で、ディエップのルノー・ディーラーでアマチュアラリードライバーのジャン・レデレ氏(1922-2007)が考案したファイバーグラス製ボディのリアエンジン・スポーツカーだ。
ルノー4CVのメカニカルを流用しており、1950年代半ばから後半にかけての技術としては軽くて軽快で、速かった。A106は、今やF1チームも擁するアルピーヌというブランドの礎石と言える。
アウディ・フロント
企業合併がアウディ・フロントを生んだ。その名が示すように、1928年にアウディを傘下に収めたDKWが得意とした前輪駆動を採用。そして1932年のアウトウニオン設立後にアウディの傘下ブランドとなったワンダラーが開発した2.0L(後に2.3L)直列6気筒エンジンを搭載している。
フロントは1933年に発表され、以降1938年までアウディが生産した。
アウト・アヴィオ・コルトルツィオーニ815
複雑なネーミングだが、エンツォ・フェラーリ氏(1898-1988)の指揮の下、ゼロから設計・製造された最初のクルマである。彼は法的な理由で自身の名前を使うことができなかった。815は、ほとんどの機械部品をフィアットから調達し、エンジンに1.5L直8を採用している。
2台が組み立てられ、どちらもミッレ・ミリアシリーズの一環として1940年のブレシア・グランプリ・スポーツカー・レースに出場した。この2台は非常に速かったが、メカニカルな故障のためにどちらも完走できなかった。フェラーリ氏は後に、「華々しく始まった実験は失敗に終わったが、それはクルマがあまりにも急いで作られたためである」と語っている。