フォード・モデル18

モデル18という名前に特別な意味はない。だが、画期的なクルマだった。1932年のフォードの数あるうちの1台で、フラットヘッドとして知られるV8エンジンを搭載し、他車とは一線を画している。

V8自体は新しいものではなかった。新しかったのは、このエンジンが手頃な価格のクルマに搭載されたことだ。そのため、正確には大衆向けではないにせよ、少なくとも以前は手に入れることができなかったような中流階級の人々が、そのパワーと洗練性を手に入れることができるようになったのである。他のメーカーもフォードに追随し、V8は数十年にわたって米国車のほぼデフォルトのエンジンレイアウトとなった。

フォード・モデル18
フォード・モデル18

GMCサイクロン

100年以上にわたって、GMCはほとんどトラックしか製造してこなかったが、最近ではSUVも製造している。1991年に登場したサイクロンは、トラックでありながら、GMCがそれまで生産してきたものとはまったく異なるものだ。ソノマ(基本的にはシボレーS-10に異なるバッジを付けたもの)をベースに、ターボチャージャー付き4.3L V6エンジンを搭載し、最高出力280psで四輪を駆動する。

正直なところ、トラックとしての性能はあまり良くなかった。GMCは、227kg以上の荷物を積むと、ドライブトレインとサスペンションにダメージを与える恐れがあると注意を促していたのだ。しかし、独自に行われた加速テストでは、1/4マイルでフェラーリ348tsよりも速かった。GMCはサイクロンの後、1992年と1993年にメカニズム的によく似たタイフーンを発表し、その後ピックアップトラックのドラッグレーサーから手を引いた。

GMCサイクロン
GMCサイクロン

いすゞピアッツァ・ターボ

ピアッツァは1981年から1992年まで2世代にわたって販売されたクーペである。日本にはピアッツァのファンが多いが、英国で数多く販売されたのは初代ターボのみ。ターボはロータスによってサスペンションが改良され、優れた性能を発揮した。他のピアッツァはハンドリングの悪さを指摘されがちだが、ターボは完璧というにはほど遠いものの、非常に楽しいドライバーズカーだ。

いすゞ・ピアッツァ・ターボ
いすゞ・ピアッツァ・ターボ

ランボルギーニ・イスレロS

1968年から1970年までしか生産されなかったイスレロは、「忘れられた」ランボルギーニに最も近い存在かもしれない。340psを発生する3.9L V型12気筒エンジンなど、その印象的なスペックもさることながら、(同時期に発売されたエスパーダと比べると)非常に控えめなスタイリング、アストン マーティンDBS V8よりも15%高い価格設定、そして、あまり品質が高くないという評判もあった。

最初のバージョンはすぐにイスレロSに取って代わられた。350psにパワーアップし、インテリアも改善され、品質がより重視されるようになった。ランボルギーニは、わずか225台(オリジナルが125台、Sが100台)を生産したところでストップをかけた。

ランボルギーニ・イスレロS
ランボルギーニ・イスレロS

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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