インプ B22 STiを現代技術で復刻 プロドライブP25へ試乗 2.5Lフラット4で405ps以上 前編

公開 : 2023.07.13 08:25

最高出力405ps以上 最大トルク60.9kg-m以上

シリンダーライナーとピストン、コンロッドなど、内部部品は専用品。ターボは大径のギャレット社製が組まれ、チタンとインコネル、ステンレスなどを用いた独自のエグゾースト・システムも与えられている。

オリジナルの22B STiでは、最高出力は280psだとスバルは公表していた。しかし、納車されたクルマを民間のテスト機関で計測したところ、300馬力以上は出ていたとか。

プロドライブP25(英国仕様)
プロドライブP25(英国仕様)

2.5LエンジンのP25の最高出力は、405ps以上。最大トルクは60.9kg-mにも達する。軽量化も貢献し、パワーウエイトレシオは335ps/t以上となる。現代の600馬力級のスーパーカーに並ぶ動力性能といっていい。

トランスミッションは、ラリーでも問題なく使える独自開発の6速シーケンシャル。エンジンとの統合を図る電子制御システムも、専用に開発されている。

従来のシンクロメッシュ付きマニュアル・トランスミッションでは、エンジンが鋭敏なため、フルスロットルでの発進時は1秒以内に1速から2速へシフトアップする必要があるとか。そうしないと、レブリミッターに当たってしまう。

プロドライブによるシーケンシャル6速ドグミッションは、盛大にメカノイズを放つ。ギアの噛みつきもかなりタイト。しかし、機能的なローンチコントロールと連動しており、機能させれば自動的に1速で6000rpmへ当たる直前に、2速へ変速される。

操作も簡単。静止時にローンチボタンを押し、ブレーキペダルと一緒にアクセルペダルを踏み込み、ブレーキペダルを緩めるだけだ。

0-100km/h加速3.5秒を簡単に体験できる

全力ダッシュ時のホイールスピンは、ほぼ皆無。トラクションはしっかり監視され、シフトアップのタイミングに寸分の狂いはない。0-100km/h加速3.5秒という能力を、運転技術を問わず体験できる。

ドライバーによる変速は、ステアリングホイールの右側奥に据えられた大きなシフトパドルで。手前に引くとシフトアップ、押すとシフトダウン。もちろん素早く反応する。

プロドライブP25(英国仕様)
プロドライブP25(英国仕様)

ドグミッションの先には、センターデフ付きの四輪駆動システムが構えている。トルクの前後の分配率は、システムにお任せすることもできるし、ドライバー自ら調整することもできる。リミテッドスリップ・デフが両アクスルに組まれている。

ハンサムなアルミホイールは19インチ。他のレプリカと差別化するため、ゴールドではなく、シックなチタン・カラーで染められている。タイヤはブリヂストン・ポテンザで、サイズは235/35を履く。

細身のスポーク越しに、APレーシング社の巨大なブレーキが鈍く光る。競技へ熱心な人のために、アシストなしで機能させることも可能だという。

ランチを終えて駐車場の前で写真撮影していると、余りのうるささにパブのマネージャーが表へ出てきた。注意されるかと思ったが、ブルーのインプレッサだと知ると、表情は笑顔に転じた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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