次代が電動SUVから始まる ロータス・エレトレ Sへ試乗 現在の理想的モデル 前編

公開 : 2023.07.16 08:25

ライバルに引けを取らないインテリア

小径なステアリングホイールのスポーク部分には、金属で造形されたスイッチが配される。満足のいくタッチで、高音質なオーディオを操作できる。アンビエントライトの雰囲気も悪くない。シートはピッタリ縫合され、ステッチが整然と並んでいる。

英国価格が約10万ポンド(約1750万円)の電動SUVとして、ライバルに引けを取らないインテリアだといっていい。人間工学では、及ばない部分があるとしても。

ロータス・エレトレ S(欧州仕様)
ロータスエレトレ S(欧州仕様)

エアコンを含む車載機能の多くは、ダッシュボード上の15.1インチ・タッチモニターで操作する。運転支援システムの切り替えも、メニューを掘り下げて行う。

センターコンソールには、ゴージャスなカーボンファイバー製トリムと金属製スイッチがあしらわれ、見た目も触感も好印象。太陽の角度によっては、反射光が眩しく感じられたことが、居心地の良い車内で唯一気になった点といえる。

試乗車は4シーター仕様で、前後とも乗員空間は広々。荷室容量は611Lと充分な数字だが、フロアの位置が高く開口部は狭めかもしれない。

グループ傘下になったことで、エレトレは地球規模で生み出された。グレートブリテン島の中部、コベントリーにロータスのデザインセンターがあり、南東部のへセルに本社があることは従来どおり。だが前述の通り、中国の武漢で生産される。

特筆すべきは、ハードウエアとソフトウエアが、ドイツ・フランクフルト近郊に新設された、ラウンハイム技術センターで開発されたこと。サプライヤーとの商談や、優れたエンジニアをヘッドハンティングするのに、適した場所らしい。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

次代が電動SUVから始まる ロータス・エレトレ Sへ試乗 現在の理想的モデルの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

ロータスの人気画像