次代が電動SUVから始まる ロータス・エレトレ Sへ試乗 現在の理想的モデル 前編

公開 : 2023.07.16 08:25

従来のブランド・ファンへ現実を突きつける、電動SUVのエレトレ。販売数が見込める新モデルを、英国編集部が評価しました。

ブランドの次の時代がエレトレから始まる

中国のジーリー・ホールディング・グループが、スウェーデンのボルボを傘下に収めた当時をご記憶だろうか。しばらくは静かな期間が続いたものの、数年後から堰を切ったように複数の新モデルが発表された。

それと同じことが、ロータスでも起きようとしている。ブランドの次の時代が、電動SUVのエレトレから始まる。四輪駆動で、ツインモーターによる最高出力が611psある、同社がハイパーSUVと呼ぶモデルから。

ロータス・エレトレ S(欧州仕様)
ロータス・エレトレ S(欧州仕様)

クーペ風のフォルムをまとった、電動サルーンが直後に控えている。コンパクトなSUVも開発が進められている。いずれも、基礎骨格となるプラットフォームは共有しており、中国の工場で量産される予定だ。

2ドアボディの電動スポーツカーが投入されるのは、それ以降。グレートブリテン島の南東部、ノーフォークで生産される計画だという。内燃エンジンを積んだエミーラと、電動ハイパーカーのエヴァイヤは、それまでの重要なつなぎ役になる。

エレトレもベースとするプラットフォーム、エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャは、47%が高張力鋼、43%がアルミニウムで構成された専用開発品。グループ傘下の他ブランドとコンセプトは通じるが、部品は1つも共有していないらしい。

ボディサイズは大きく、全長は5103mm、全幅が2000mm、全高が1630mmもある。シートレイアウトは4名がけか5名がけを選択可能。英国での価格は、9万805ポンド(約1589万円)からに設定された。

バッテリー容量は109kWh 航続距離は600km

今回試乗したのは中間グレードに当たるエレトレ Sで、英国価格は10万4500ポンド(約1828万円)。トップグレードとなるエレトレ Rでは、12万1305ポンド(約2122万円)へ上昇する。

エレトレ Sの前後に搭載される駆動用モーターは、1基306psのユニット。最高出力
はベースグレードと変わらない。エレトレ Rでは、リア側に611psのユニットが積まれ、システム総合で918psまで増強される。

ロータス・エレトレ S(欧州仕様)
ロータス・エレトレ S(欧州仕様)

仕様を問わず、フロア部分に敷き詰められる駆動用バッテリーの容量は109kWh。電圧800Vのシステムで稼働し、急速充電能力は350kWまで対応する。航続距離は600km。空気抵抗を示すCd値が0.26という滑らかなボディも、高効率を支えている。

サスペンションは、エアスプリングが標準。後輪操舵システムと、電圧48Vで稼働されるアクティブ・アンチロールバーは、エレトレ Sではオプション。試乗車には搭載されていた。Rでは標準になる。

これまで、純粋さや軽さを信条としてきたブランドには、相容れない内容かもしれない。車重は2520kgもある。

インテリアも、従来とは一線を画す。ロゴを隠した状態で、既存のオーナーが乗ってロータスだと気付ける点は、内装の臭いくらいかもしれない。とはいえ、決して悪い事実ではない。

素材や組み立て品質は、プレミアム・ブランドと呼ぶに相応しい水準へ引き上げられている。手に触れる部分は上質で、コラムから伸びるレバーの動きには締まりがある。新しいロータスを表現する部分だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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