プジョー408GTハイブリッド 解き放たれた新種のPHEV 内外装にフランス的いいモノ感

公開 : 2023.12.28 17:45

ライバルはあのフランス車、ではない?

パワートレインは限られたリソースの中で上手い仕事をしていると思う。それでも国産、輸入車を問わず優れたPHEVが溢れている日本市場において408GTハイブリッドを敢えて選ぶ理由の筆頭は、プジョーのブランド力やお洒落な見た目にあるはずだ。

内外装のデザインはプジョー以外の何者でもない個性的なものだが、クオリティも非常に高いレベルにあることはすぐにわかる。そして冒頭にも記した通り、408GTハイブリッドの走りは軽快でカチッとして静か。さらに付け加えるならいつもフラットな姿勢を崩さず、フランス車らしく当たりが柔らかく、いいモノ感に溢れている。

プジョー408GTハイブリッド
プジョー408GTハイブリッド

お金を費やすことで性能をどんどんとプラスしていくドイツ車的ではなく「足るを知る」的な洒脱な思考の持ち主に、このクルマはぴったりとフィットするはずだ。

プジョー408GTハイブリッドが気になる人は例外なくルノーアルカナの上級モデルであるEテックもチェックすることだろう。そして629万円(408GTハイブリッド)対469万円(アルカナEテック・エンジニアード)という価格差に「ん?」となるはず。

実際に両車のドライブフィールを知っていれば、その価格差には納得がいく。良し悪しではなく、ターゲットが少し異なると考えた方がいいかもしれない。どちらもフランス的だが、バターをたっぷり練り込んだフランスパンのようなリッチな気分に浸れるのはプジョーの方。これは比較試乗してみれば誰にでも直感的にわかる差異だと思う。

試乗車のスペック

価格:629万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm
燃料消費率(WLTC):17.1km/L
駆動方式:前輪駆動
車両重量:1740kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1598cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:180ps/6000rpm
最大トルク:25.49kg-m/1750rpm
モーター定格出力:30kW
最高出力:110ps/2500rpm
最大トルク:32.63kg-m/500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:205/55R19(フロント)205/55R19(リア)

プジョー408GTハイブリッド
プジョー408GTハイブリッド

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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