2024年版 現代の最適解? 今選びたいハイブリッド車 10選 エンジンと電気の魅力的なミックス

公開 : 2024.03.10 18:05

「電動化」が叫ばれる今、大注目を集めるハイブリッド車。個性豊かなモデルが揃う欧州市場から、特に優れた10台を紹介。走り、経済性、デザインなどさまざまな観点からジャッジする。

多種多様なハイブリッド 選ぶならコレだ

走り、経済性、航続距離、デザイン、高級感など、さまざまな観点から「ベスト」なハイブリッド車を10台紹介する。

量産ハイブリッド車の先駆者と言えばトヨタであり、他の日本車メーカーも高水準の技術を擁している。また近年では、環境規制や市場環境の変化を受け、欧州車メーカーの台頭も著しい。過去25年で、ハイブリッド車は世界的に認知されるようになり、今や多くのメーカーで販売の主力を担っている。

電動化の「中心地」とも言える欧州市場から、特に優れた10台のハイブリッド車を取り上げる。
電動化の「中心地」とも言える欧州市場から、特に優れた10台のハイブリッド車を取り上げる。

そして、さまざまなニーズに対応すべく、質素なベーシックモデルからスポーティな上級モデルまで、多種多様なモデルが生まれている。特に、電動化が声高に叫ばれる欧州市場では実にバリエーション豊かなラインナップが揃う。

今回は、そんな欧州市場で販売されているPHEV(プラグインハイブリッド車)やHEV(ハイブリッド車)の中から、特に優れた10台を選出した。ただし、筆者(英国人)の好みが多分に含まれていることをあらかじめお伝えしておきたい。

1. メルセデス・ベンツC300e

長所:電気航続距離が長い、実用面でほとんど妥協がない、車載システムの充実
短所:スポーティなハンドリングは期待できない、インテリアの質感がやや残念

大容量の駆動用バッテリーを搭載したメルセデス・ベンツC300eは、WLTPサイクルで最長111kmの電気航続距離を謳っている。燃料代が高騰している昨今、維持費に大きな違いをもたらしてくれるはずだ。

1. メルセデス・ベンツC300e
1. メルセデス・ベンツC300e

パワートレインは2.0Lターボガソリンエンジンと129psの電気モーターで構成され、合計出力は312ps。0-100km/h加速は6.1秒と速い。セダンとステーションワゴンの2種類のボディスタイルが用意されており、PHEVモデルでも居住空間やトランクルームに大きな影響はない。

C300eは洗練された質感と快適性、そして小型版Sクラスといった雰囲気を持ち、試乗した弊誌の記者たちを感心させた。走りにこだわるドライバーは、BMW 330eやプジョー508 PSEを検討するかもしれないが、ほとんどの人にとってC300eの優れた電気航続距離が注目の的になることは間違いない。

2. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー(225e/230e)

長所:優れた電気航続距離、コンパクトカーとして優れたパッケージングと実用性
短所:BMWに期待される見栄えやドライビングには欠ける

高級車ブランドのBMWがミニバンにこだわっているのは、いささか驚きである。実際、最新の2シリーズ・アクティブツアラーは単なる先代モデルの改良型ではなく、現行型1シリーズをベースにしたまったく新しいモデルだ。上品に落ち着いたハッチバックであり、実用性も十分に備えている。特に「疑似オフロード車」の見た目よりも汎用性を重視する人にとっては歓迎すべき要素だろう。

2. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー(225eおよび230e)
2. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー(225eおよび230e)

さらに重要なのは、第5世代の電動パワートレイン「eドライブ」が導入されていること。高効率の109psの電気モーターと14.2kWhバッテリーが組み合わされ、電気航続距離は85kmと謳われている。

3気筒1.5Lガソリンエンジンをベースとし、225eでは合計出力245ps、230eでは合計出力326psを発生する。刺激的なドライビングは期待できないが、適度なグリップとボディコントロールでBMWらしいハンドリングを実現している。乗り心地はなめらかで静かという、ファミリーカーとしてぴったりの仕上がりとなっている。

パッケージングもなかなか優秀で、特に後部の収納スペースはとても便利だ。さらに、タイトな構造と上質な内装材が高級感と洗練性を醸し出している。一般的なハッチバックやミニバンよりもワンクラス上のクオリティである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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