2024年版 普段使いに最適? 「必要十分」な小型EV 8選 でも見た目も走りも大満足

公開 : 2024.03.24 18:05

4. ミニ・クーパーS E

長所:運転の楽しさ、ハンサムなスタイリング、パンチの効いたパフォーマンス
短所:航続距離の短さ、バッテリーの小ささ、実用性の低さ

2020年に登場したミニ・クーパーS Eは、ミニらしい魅力をすべて備えているものの、同時に「制約」も多い。3ドア・ハッチバックをベースに、BMW i3sのパワートレインを搭載し、最高出力183ps、最大トルク27.5kg-mとパフォーマンスは上々だ。

4. ミニ・クーパーS E
4. ミニ・クーパーS E

今回紹介する10台の中ではドライビングの楽しさが特に際立っており、無邪気な挙動、適度なグリップ、シャープなハンドリングと、ミニの伝統を楽しむことができる。ミニが好きな人ならきっと気に入るだろう。

弱点は航続距離だ。ミニは最長230kmと謳っているが、実走行では160kmから190kmとなる可能性が高い。トランクもかなり小さく、後部座席は小さな子供でない限り乗り降りが難しい。

小型EVとしては非常に楽しい部類に入るが、やはり航続距離の短さがネックとなる。この点に関しては、まもなく発売予定の新型クーパーE/クーパーSEに期待したい。

5. マツダMX-30 eスカイアクティブEV

長所:高級感あるインテリア、スマートなスタイリング、シャープなステアリング
短所:航続距離が短すぎる、実用的でないリアドア、軽快感に欠ける

マツダは独自のやり方を恐れたことは一度もない。他者から「風変わり」と思われるようなことも果敢に挑戦してきた。同社初のバッテリーEVであるMX-30 eスカイアクティブEVも同様だ。

5. マツダMX-30 eスカイアクティブEV
5. マツダMX-30 eスカイアクティブEV

35.5kWhという非常に小さなバッテリーを搭載し、公式航続距離は200kmとされる。これは、大容量のバッテリーは必要ないというマツダの考えによるものだ。バッテリーを大きくすると、コストと重量がかさみ、EVが本来目指すべき効率性が悪くなってしまう。

SUVライトなボディを持ち、居住空間もそこそこの広さがある。珍しい素材で彩られたインテリアは、独特の居心地の良さと好感の持てる雰囲気を醸し出している。

ダイナミクスでもMX-30は傑出している。最高出力145ps、最大トルク27.5kg-mのモーターを搭載し、直線加速性能はごく一般的なものだが、ステアリングの重さとコーナリング中のサスペンションのしなやかな荷重移動の仕方は、あのMX-5(日本名:ロードスター)を彷彿とさせる。しかし、街中では少し地味な印象を受けた。

最大50kWの急速充電が可能なので、普段から移動距離が短い人、あるいはクルマを2台以上所有している人であれば、十分に満足できるだろう。それでも不安を感じるという場合は、830ccのロータリーエンジンで航続距離を延長するMX-30 eスカイアクティブR-EVもある。

マツダは他者と違うことを好む。我々も、そんなマツダが大好きだ。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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