しなやかに公道を嗜む マセラティMC20 GT2ストラダーレへ試乗 60kg減量 10ps増強

公開 : 2025.03.05 19:05

爽快なレスポンス 聴き応えのあるサウンド

ステアリングホイールのリム部分に、シフトインジケーターのLEDが並ぶ。シフトパドルは、ステアリングコラムへ固定されている。その奥から、ウインカーとワイパー用のレバーも伸びている。

ちなみにフェラーリでは、コラム側へパドルを固定しつつ、ウインカーとワイパーのスイッチはステアリングホイール上に並ぶ。それより操作しやすいと思う。

マセラティMC20 GT2ストラダーレ(欧州仕様)
マセラティMC20 GT2ストラダーレ(欧州仕様)

ドライブモードのセレクターは、センターコンソール上。運転中でも目に付きやすいように、通常のMC20より上方へ移動した。

それ以外の車内は、従来どおり。後方の視界は限定的だが、前方の視界は素晴らしい。バックミラーは、鏡ではなくモニター式だ。エンジンルームの後方には、小さな荷室が残されている。活発に走らせると、かなり内部は熱くなるが。

先述の通り、3.0L V6ツインターボエンジンにハード的な変更は受けていない。ターボブーストの立ち上がりは比較的早く、3000rpmから最大トルクは発生する。だが、それ以下の回転域ではラグもある。

高回転域でのアクセルレスポンスは爽快。トルクが太いから、間違って1段上のギアを選んでも、速度上昇に鈍さは感じにくい。

サウンドも素晴らしい。往年のマセラティのように心を震わせる、とまではいえないものの、現代のスーパーカーでは聴き応えがある方だろう。チタン製マフラーが、2025年後半にはオプション設定されるとか。

しなやかに公道を嗜むことも可能

8速デュアルクラッチATも、通常のMC20と同じユニットとのことだが、コルサ・モードを選ぶと瞬間的に変速が処理される。滑らかな仕事ではないが、ギアが噛み合うと背中がドシッとバケットシートへ押し付けられ、一層クイックに感じる。

ブレーキディスクは、カーボンセラミック。ペダルの踏力に関わらず、しっかり足の裏へ感触が伝わる。フェラーリやポルシェへ並ぶ、ニュアンスの明瞭さではないとしても。

マセラティMC20 GT2ストラダーレ(欧州仕様)
マセラティMC20 GT2ストラダーレ(欧州仕様)

ドライブモードをコルサにすると、ダンパーが引き締まり、ドライバーへの電子的なアシストが控えめになる。最も刺激的なモードでは、トラクションとスタビリティのコントロールは完全なオフに。デフは速さ重視になり、ABSの効きも最小限へ絞られる。

だが従来どおり、乗り心地の良いスーパーカーとして公道を嗜むことも可能。素直で扱いやすく、サスペンションをソフト側に振っても姿勢制御はフラットで、魅力が霞むことはない。充足度が濃い。

マセラティは車重を公表しておらず、乾燥重量で1365kg。恐らく、車重は1500kgを少し上回る程度かと想像するが、重い部類には入らない。

車内のノイズは確かにうるさい。タイヤが跳ね上げた小石の当たる音が、パチパチと聞こえる。サスペンションは静かに屈伸し、ステアリングは比較的穏やか。ターボブーストの立ち上がりが明確で、雰囲気としては数年前のフェラーリ488 ピスタへ近い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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