往年のGT的流暢さ マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレへ試乗 ウェットで0-100km/h 2.9秒
公開 : 2025.02.24 19:05
新世代で大変化を遂げたグラントゥーリズモ フォルゴーレは3モーターで761ps 華やかな内装に低い着座位置 ウェットでも息が詰まる0-100km/h 2.9秒 見事な操縦性のまとまり 英編集部が評価
もくじ
ー新世代で大変化 トリプルモーターで総合761ps
ー車重は実測で2358kg シャシーはV6版とほぼ同じ
ー華やかなインテリアに低い着座位置
ー息が詰まるほど速い0-100km/h加速2.9秒
ー見事な操縦性のまとまり 往年のGT的流暢さ
ーマセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ(英国仕様)のスペック
新世代で大変化 トリプルモーターで総合761ps
世代交代で、ここまで変化するモデルも珍しい。先代のマセラティ・グラントゥーリズモには、4.2Lか4.7Lの自然吸気V型8気筒エンジンが載り、現代の量産車では屈指の轟音を放つことができた。
しかし、新世代では環境規制に合わせて3.0LのV6エンジンへ交代。新開発されたプラットフォームは電動パワートレインにも対応し、グラントゥーリズモ・フォルゴーレはほぼ無音で加速してみせる。

後述の通り、マセラティのバッテリーEVに対するアプローチは、他ブランドのそれとは異なる。だがロングノーズのプロポーションは、先代へ通じる雰囲気を放ち、見慣れたものでもある。
パワートレインを問わず、製造されるのはマセラティのイタリア・モデナ工場。フォルゴーレに搭載される駆動用モーターは3基で、システム総合761psに達する最高出力を受け止めるうえでも、四輪駆動は妥当な選択といえるだろう。
1万7600rpmまで回る、モーター1基あたりの出力は407ps。リアに2基、フロントに1基搭載され、単純計算では1221psとなるが、イタリアのミラフィオーリ・バッテリー・ハブ工場で作られる駆動用バッテリーの性能上、460psほど制限されている。
リア側のタイヤは、左右それぞれ1基のモーターが担当。リミテッドスリップ・デフは備わらない。
車重は実測で2358kg シャシーはV6版とほぼ同じ
83kWhの駆動用バッテリーは、800Vの電圧を提供。インバーターには、フォーミュラE由来のシリコン・カーバイド基盤が採用される。より軽量で、高い電力の処理を可能としている。急速充電は、最大270kWに対応する。
一般的に、駆動用バッテリーはフロア部分に敷き詰められるのが通例だが、フォルゴーレは違う。エンジンやトランスミッション、プロペラシャフトなどが省かれた空間を埋めるように、+のカタチで詰め込まれる。

フロアへ敷くより重心は高くなるが、シャシー中央へ集中させることで、ロール軸へ重心点を近づけられるとマセラティは主張する。その重さは、600kgもある。車重はカタログ値で2260kg。V6エンジン版のグラントゥーリズモ・トロフェオより465kg重い。
AUTOCARで実際に測ったところ2358kgで、前後の重量配分は、ほぼ50:50にある。ちなみに、全長の近いポルシェ・タイカン・ターボSは、2295kgを計測している。
サスペンションは、前がダブルウィッシュボーン式、後ろがマルチリンク式という構成。これは、V6エンジン版と変わらない。電子制御のダンパーが組まれることも。基本的に、シャシーの違いは荷室フロアやセンタートンネルに補強材が入ることくらいだ。