【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ EVらしからぬ好ましい挙動 航続距離は足りず

公開 : 2025.03.01 20:25

走り ★★★★★★★★★☆

リアモーター2基は、完全に独立して左右各輪を駆動するので、フォルゴーレにはLSDが不要だ。パワーとトルクのデリバリーは、マセラティのヴィークル・ドメイン・コントロール・モジュールが制御する。どの程度の出力を使えるか、前後左右どこにどれだけ分配するかは、選択した走行モードによる。

マックスレンジとデフォルトのGT、スポーツ、コルサの4段階で、761ps/137.7kg-mをフルに使えるのはスポーツとコルサ。GTでは、最大80%に制限される。また、上ふたつを選択すると車高が下がる。

パワートレインの制御は巧みで、マッスルカーのようなところもありながら、同時に洗練度も高い。
パワートレインの制御は巧みで、マッスルカーのようなところもありながら、同時に洗練度も高い。    JACK HARRISON

いうまでもないことだが、フォルゴーレは言葉を失い胃がひっくり返りそうになるほど速い。乾きかけの路面であってもクリーンにスタートを切る。タイカン・ターボSをテストしたときもそうだったが、ESPやトラクションコントロールのチューニングはかなり練られている。

タイヤのグリップ限界をギリギリ超えながらも、とてつもない勢いで突っ走るところは、ポルシェのほうがやや上手だが、どちらも巧みにパワーを路面へ伝える。理想的ではないコンディションでも、0-97km/hは2.9秒、0-161km/hは6.4秒、0-241km/hは14.6秒をマークした。V6のトロフェオは、ドライコンディションで3.6秒/8.0秒/18.7秒だった。

主観的な評価では、日常使いでも扱いやすいクルマだ。コルサモードでも、パワーの立ち上がりはうまくマネージメントされていて、つらいシャープさは一切ない。加速は強烈だが、予想が効く。

さらに、湿った路面でわざとスロットルペダルを強く踏み込んでも、シャシーはうまく走ってくれるし、常にコントロールしやすく、前輪の直進回復は素早いが早すぎない。マッスルカー的なところもあるが、かなり洗練されてもいる。電子制御系の出来がいいのは、先に述べたとおりだ。

制動力は、2.3tのクルマとしては上出来だ。パドルで強力な回生ブレーキを呼び出せるのも効いている。摩擦ブレーキとの連携もシームレスだが、ペダルフィールは全体的に無感覚すぎる。その点も、タイカンのほうがしっかりしている。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事