【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ EVらしからぬ好ましい挙動 航続距離は足りず

公開 : 2025.03.01 20:25

操舵/乗り心地 ★★★★★★★☆☆☆

乗り心地とハンドリングについては、ちょっと扱いに困るくらい中途半端だ。すばらしくグリップし、レスポンスや精確さは先代では期待できなかったレベルだ。それでも、ドライバーズカーと呼べるほどシャープではない。

同時に、まずまず静かで上質な走りを見せるが、かつてのメルセデスSクラス・クーペに望むような静粛性には届いていない。二兎を追う者は一兎をも得ず。どちらかを追求すべきだったのではないだろうか。

EVらしからぬ挙動は好ましいのだが、アンダーステアが強めなのは気になる。乗り心地や静粛性にも、詰めの甘さがある。
EVらしからぬ挙動は好ましいのだが、アンダーステアが強めなのは気になる。乗り心地や静粛性にも、詰めの甘さがある。    JACK HARRISON

とはいうものの、フォルゴーレは楽しいクルマで、走りのテイストはありふれたものではない。パフォーマンスEVはそのほとんどが、基本的なフィーリングに違いはない。きわめて重心高が低く、方向転換は超ダイレクトだがずっしりした性質だ。

グラントゥーリズモ・フォルゴーレがそれと異なるのは、ICE車的な重量配分によるものだ。ロールや上下動があり、昔ながらのGTのような走りをみせる。われわれとしては、そのほうが好みだ。タイカンにはない気持ちよさがある。

そこにすばらしいドライビングポジションやステアリング、パワーもコーストもうまく調整されたトルクベクタリングが加わって、有能で満足感のあるGTとなれる素質を感じさせる。

欠点は重量と、明らかにアンダーステアなバランスだ。後者は、レイアウトを考えると避けられず、スタビリティのためにわざとそうしたのだとしても、それがどこまで故意なのかはっきりとはわからない。

快適性と静粛性に関していうと、波長の長いところは上々なのだが、荒れた路面ではしばしば過敏だ。113km/hでの室内騒音は71dBAだったが、66dBAのタイカン・ターボSにはかなり差をつけられている。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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