【詳細データテスト】マセラティ・グラントゥーリズモ EVらしからぬ好ましい挙動 航続距離は足りず

公開 : 2025.03.01 20:25

独特のメカニカルレイアウトが生む、エンジン車的な挙動は歓迎できるマセラティの電動GTですが、走りにも快適性にも妥協の跡が見られます。そして航続距離が絶対的に不足。素質は優れているので、一層の改善が期待されます。

はじめに

先代マセラティ・グラントゥーリズモは、4.7Lの自然吸気V8を積み、史上もっとも騒々しい類のサウンドを放つクルマだった。エンジンをかけると、耳のいいひとなら数ブロック先でも聞き取るかもしれないくらいだ。

しかし、今やV8は姿を消した。最新モデルは、見た目こそ先代と似ているが、中身は刷新され、エンジンはV6に。プラットフォームは、ピュアEVにも対応する。世界でも爆音の上位にあったクルマが、逆にほぼ無音となったのだ。

テスト車:マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ
テスト車:マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレ    JACK HARRISON

それでも、われわれはグラントゥーリズモの電動版であるフォルゴーレをテストしたくてたまらなかった。マセラティのスーパーEVの作り方は、既存の同種とは異なる。スピードに不足はなく、見栄えも並外れていい。

はたして上品なグラントゥーリズモには、もっとクールで、洗練され、効率のいい電動パワートレインのほうがマッチするのか。確かめてみよう。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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