今、最もピュアなスーパーカー、マクラーレンの話【新米編集長コラム#26】

公開 : 2025.04.06 11:45  更新 : 2025.05.01 10:28

やはり軽さは正義

そういったマクラーレンに対する想いを前提として、先日の取材で750SスパイダーGTSに触れる機会があった。既に佐藤久実さんと藤島知子さんによる試乗記を掲載したので、お読みになった方もいらっしゃるかと思う。

その取材で感じたのは、純粋にスポーツカーとして楽しい! ということだ。個人的な立ち位置でいえば、最近BEVやPHEVの取材が多い中でが総じてクルマが重いと感じており、やはり軽さは正義だと改めて実感したのだ。

マクラーレンW1のワークショップでは、パワートレイン系の解説を聞けた。
マクラーレンW1のワークショップでは、パワートレイン系の解説を聞けた。    マクラーレン・オートモーティブ

また、マクラーレンの好きなところは、P1に端を発する独特のスタイリングが、機能を両立しているように見えることだ。例えば、フロントフェンダートップからサイドウインドウの下を抜けてリアへと流れる、一般的に最も流速が高いとされる部分に余計なものがなく、しかもその流れが視覚的にわかるようデザインされているのが、「マクラーレンのエンジニアとデザイナーは、レーシングカーオタクなんだろうなぁ」と思わせて、そこに作り手の純粋さを感じるのだ。

そんな純粋さは、先日視聴したマクラーレンW1のワークショップでも感じた。これは英国本国の本社で開催された、マクラーレンのエンジニアたちがW1の技術解説をするというもの。

既にUK編集部が記事化しているので詳細は割愛するが、どうしても書いておきたいのは、軽さを前提として拘りぬいた細部の作り込みが、相変わらずのマクラーレンらしく純粋に走りの楽しさを徹底的に追及していることだ。もしかすると、前職がフェラーリのエンジニアであった技術畑のマイケル・ライターズCEOがマクラーレンを率いていることが、その純粋さを加速させているかもしれない。

今脳裏に浮かぶのは、2台の取材で体感した路面に張り付くようなスタビリティとダウンフォース、素晴らしいサスペンション、そして……。こんな原稿を書いていたら、また、マクラーレンに乗りたくなってきた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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