長距離移動で痛感した充電マネージメントの大切さ【ヒョンデ・コナ長期レポート#6】

公開 : 2025.02.11 17:05  更新 : 2025.02.11 17:29

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中です。今回は編集部ヒライが京都、鈴鹿方面を巡る取材に連れ出した時の様子をレポートします。カタログスペックの航続可能距離は541kmですが、さて。

京都、鈴鹿と巡りトータル約800kmを走行

ヒョンデコナがAUTOCAR JAPANのレポート車となった直後のこと。タイミングよく京都、鈴鹿と巡る取材があったので、連れ出してみることにした。

簡単にルートを記しておくと、筆者の自宅がある静岡県東部を出発し、新東名高速道路で西に向かい、東名高速などを走り京都市内へ。そこで何本か取材をこなし、その日は鈴鹿のホテルまで移動。翌日鈴鹿サーキットで取材し、終了後静岡の自宅に戻る、トータル800kmくらいの経路だ。

往路の新東名高速下り浜松SAにて充電。平日午前中だからか、他に充電車両はいなかった。
往路の新東名高速下り浜松SAにて充電。平日午前中だからか、他に充電車両はいなかった。    平井大介

前日が東京から自宅への移動だったので、東名高速道路下り足柄PAで充電(90kW)したものの残り70%程度までしか充電できず、今思えば、ここがよくなかった。そこから帰宅し、60%近くまで落ちてしまったのだ(自宅に充電環境はない)。

翌朝、まずは新東名高速道路下り駿河湾沼津PAで77%まで充電(150kWのはずがあまり伸びず)。しかし残りの航続可能距離が326kmしかなくこれでは京都までたどり着かないので、浜松SAでもう一度充電(150kW)し81%、航続可能距離291kmまで回復した。その後無事に京都で取材を終え、夕食をとりながら近くの日産ディーラーで充電(90kW)し79%、航続距離313kmまで回復。鈴鹿まで移動した。

翌日は鈴鹿サーキットの取材後、近所のセブンイレブンで充電(90kW)。メモがとれていないが確か80%近くまで回復し、帰路へ。最後、駿河湾沼津SA手前で10%を切ったため2回充電(150kW)し、帰宅した。

2日間で6回、計3時間も充電

振り返ると2日間で6回、都合3時間も充電したことになる。今回は全て急速充電器にて80%までの充電だったので、充電を終えた段階での航続可能距離は毎回300~330km程度。レポート車の航続可能距離カタログスペックは541kmなので、ちょっと電費が悪い印象にも見えるが、実はスポーツモードを試したりしつつ調子にのってアクセルを踏み込んでしまったので、本来はもう少し伸びる予定だった。このあとレポートを続けた感覚では、80%で400kmくらいのイメージだ。

そもそも、自宅で充電し100%スタートであれば、350kmほどの京都までは充電なしでたどり着いたはずで、もし京都か鈴鹿で夜間充電できるホテルを選んでいれば、途中30分充電1回を挟む程度ですんだ可能性もある。EVを本格的にテストし始めて数ヵ月、充電マネージメントの大切さを痛感した次第だ。

コナの充電ポートはフロントにある。カバーは日本の規格に合わせた専用パーツとのこと。
コナの充電ポートはフロントにある。カバーは日本の規格に合わせた専用パーツとのこと。    平井大介

さて、今回の道中で感じたことだが、まず気になった点から。これはアイオニック5も同様なのだが、室内の密閉性が高すぎるのか、たまに耳がきつくなくなること。気圧が高い飛行機での移動を思い出して頂くと伝わるかもしれない。移動中、窓を開けたくなることが他のクルマより多い気がした。

あとは、駐車する時になぜか枠にぴったり合わないこと。ちょっとだけズレるのだ。これはステアリングの切れ角と自分の感覚にズレがあるようで、単純に慣れの問題かもしれないが、気になってしまった。

逆に言えば、気になったのはこの2点だけで、先ほど『調子にのって』と書いたが、高速移動のコナはとにかくよく走る印象で、BEVらしい安定感に満ちている。多くの人が、「コナっていいクルマだね」と言うはずだ。自宅に充電環境さえあれば、メインで使用するクルマ候補に十分なり得ると感じている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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