VW初「レンジエクステンダーEV」登場 7人乗りで航続1000km 中国向けラインナップ拡大へ

公開 : 2025.04.25 19:45

フォルクスワーゲンは新型のコンセプトカー『ID.Era』、『ID.Evo』、『ID.Aura』を上海モーターショーで公開しました。中国市場のニーズに合わせた次世代NEVで、高度な自動運転機能も搭載します。

新エネルギー車(NEV)3車種 一挙公開

フォルクスワーゲンは、4月23日から開催されている上海モーターショーで、3台のコンセプトカーを発表した。重要な中国市場での製品ラインナップを大幅に拡大する意向だ。

同社の合弁パートナーである上海汽車(SAIC)と第一汽車(FAW)、および安徽省に拠点を置く子会社と共同開発したもので、今後2年間に中国で発売される30車種からなるラインナップの主力となる。

上海モーターショーで公開された『ID.Era』コンセプト
上海モーターショーで公開された『ID.Era』コンセプト    AUTOCAR

目玉はSAICと共同開発した『ID.Era』で、フォルクスワーゲン初のレンジエクステンダーパワートレイン搭載車である。既存のタイロンとよく似た3列7人乗りのSUVで、発電用のガソリンエンジンとバッテリー、電気モーターを組み合わせ、最大1000km以上の航続距離を実現している。

一方、フォルクスワーゲン安徽が開発した『ID.Evo』もまたSUVだ。これは、昨年発表されたID.Unyx(クプラタバスカンの中国市場向けバージョン)の兄弟車に位置づけられるが、クーペ風の流線型デザインではなく、より一般的なハッチバックのシルエットに変更されている。

800Vの電気アーキテクチャーを採用し、ID.Unyxの400Vシステムよりも強力だ。また、新しいゾーンコンピューター構成により、幅広いデジタルサービスと迅速な無線アップデートが可能になるという。

3台目は、FAWフォルクスワーゲンの『ID.Aura』で、旧型のボーラを彷彿とさせる小型ノッチバックセダンだ。手頃な価格のAセグメント車を好むユーザー層をターゲットとしており、中国市場向けの新しいコンパクト・メイン・プラットフォーム(CMP)をベースにした最初の量産車となる。

各モデルのパワートレインに関する詳細は未公表だが、すべて新エネルギー車(NEV)だとされている。NEVとは、プラグインハイブリッド、レンジエクステンダーEV、バッテリーEVを包括する中国の用語だ。

また、各モデルにはAIベースの自動運転システムが搭載されており、来年にはいわゆる「レベル2++」の走行が可能になるという。ほとんどの制御を車両側で行うが、危険回避の責任の大部分はドライバーが負うことになる。

フォルクスワーゲンは声明で、「特定の状況下では、追い越しや曲がり角での操作、合流など、ドライバーの監視のもとで完全に自動運転を行うことが可能になります」と述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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