【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#8 大貴族号は男の“42”場所!

公開 : 2025.05.16 12:05

大貴族号にふさわしいのは何番?

この調子だと、目論んでいた早めの納車なんて到底ムリそうだが、とりあえず名義変更は先に済ませてもらおう。そう思って連絡を取ったら、「希望ナンバーどうします?」と返信があった。

うーん、大貴族号にふさわしいのは何番だろう。

草野球でも背番号は42だった。死を恐れるな! そして死球を受けた瞬間。
草野球でも背番号は42だった。死を恐れるな! そして死球を受けた瞬間。    東京フォッケウルフ

真っ先に思い浮かんだのは『42』だった。いわゆる『死に番』である。日本では、プロ野球選手も42だけは背番号に選ばず、ほぼ外国人選手専用になっている。かつてメルセデスにあった420SELも、『死に丸』と呼ばれ縁起がうんぬんされた。

しかし、あえて縁起の悪い番号を付けるのが、捨て身な男のロマンの表現。坂本龍馬の『ドブの中での前のめりに死にたい』という思考である。考えて見りゃ大貴族号は、排気量が4.2リッターだし、42はピッタンコ! よし、死に番でキマリだ!

タコちゃんにそう伝えると、「もうちょっと縁起のいい番号がいいな……」と、泣きそうな返信があったが、これだけは譲れなかった。私にとって大貴族号は自動車ラスト・ロマン。男の死に場所なのだから!

(つづく/毎週金曜日昼頃公開予定)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

清水草一の自動車ラスト・ロマンの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事