自動車史に残るフランスの名車 21選 世界を魅了した革新性と美しさ

公開 : 2025.05.24 18:25

プジョー205 GTI

1980年代のアイコンであるプジョー205 GTIは、それ以降に登場したほぼすべてのホットハッチと比較されてきたことから、間違いなく史上最高のフランス車の候補の1つにふさわしい。当初のモデルは、最高出力105psの1.6Lエンジンと、わずか805kgの車両重量により、高速で非常に俊敏な走りを実現していた。よりパワフルな130psの1.9Lエンジンではさらに俊足になったが、1.6Lエンジンの繊細さが少し失われたという意見もあった。

プジョーは、コーナーの途中でテールハッピーに陥りやすいという指摘に対応するため、後期型ではサスペンションを少し柔らかくした。それでも、当時のホットハッチで、全開で走らせるときの興奮度で205 GTIに勝るものはなかった。ピニンファリーナがデザインしたコンバーチブルモデル『CTi』も1986年に登場した。

プジョー205 GTI
プジョー205 GTI

プジョー203

1948年に発表されたプジョー203のデザインは、明らかに米国車の影響を受けていた。ふくらみを持たせたワイドなフロントエンドと傾斜したリアルーフラインは、ライバル車の直線的なデザインとは対照的だった。

中身はさらに革新的で、このクラスでは新しかった油圧ブレーキを採用。また、コイルスプリング式独立懸架フロントサスペンション、ラック&ピニオンステアリング、そして1954年から導入されたシンクロメッシュ式トランスミッションも特徴的だった。当時の時代背景を考えると、すべてが画期的な技術だった。エンジンも同様で、アルミニウム製ヘッドと高回転特性を備え、203はラリーでの優勝常連車となった。

プジョー203
プジョー203

プジョー504

504は、旧式化した404の後継車として開発されたが、両モデルは7年間並行生産された。ディスクブレーキを全輪に採用し、フューエルインジェクションを標準装備した非常に現代的な大型セダンである。標準のコマーシャルや8人乗りのファミリアーレなど、ステーションワゴンもラインナップされた。

スタイリングはピニンファリーナが担当し、同社が1.8Lおよび2.0Lガソリンエンジン搭載の504クーペ/カブリオレも生産した。これらのモデルは、PRV製のドゥヴランV6エンジンを初めて搭載した市販車だった。

プジョー504
プジョー504

ルノー4

4は、ルノー初の前輪駆動車だった。シトロエン2CVの直接のライバルだったが、その役割は、603ccの非力なエンジンを搭載した廉価版のルノー3にほとんど奪われてしまった。4には、845ccまたは1108ccの4気筒エンジンと、その前方にトランスミッションが搭載され、ダッシュボードから突き出た2CV風のシフトレバーが特徴だった。

ライバル車同様、ルノー4はフランスの田舎道に対応するため、ソフトなサスペンション設定を採用している。しかし、トーションバー式サスペンションの配置の都合上、車体左側のホイールベースが右側よりも短いという奇妙な特徴がある。それでも4は商業的に大成功を収め、31年間にわたって生産され、四輪駆動車やビーチカーのプレインエアなどを含む全モデルで合計813万5424台が販売された。

ルノー4
ルノー4

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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