見るだけで楽しいフォードのコンセプトカー 50選(後編) 「明日」を託されたクルマたち

公開 : 2025.06.14 19:25

スタート(2010年)

フォードは、「将来の小型車の実現可能性を探求したデザイン」であるスタート・コンセプトを北京モーターショーで公開し、大きな話題を呼んだ。しかし、デザイナーのクリス・スベンソン氏(1965-2018)は5年後に、このコンセプトを市販化するにはコストがかかりすぎるため、実現は困難だと認めた。

しかし、ある意味でスタートは生き続けている。1.0L 3気筒の『エコブースト』ターボエンジンを搭載した最初のフォード車であり、このエンジンはフィエスタやトランジット・クーリエなどのさまざまなモデルに採用され、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで総合優勝またはカテゴリー優勝を10回も獲得している。

スタート(2010年)
スタート(2010年)

Vertrek(2011年)

フォードのグローバルCセグメント・プラットフォームをベースにしたVertrekは、欧州と北米で生産されている既存モデルを統合する「素晴らしい機会」として2011年に発表されたコンパクトSUVだ。

その後、市販化に向けた改良を経て、2代目クーガと3代目エスケープとしてそれぞれの市場で発売された。このプロセスは、2019年の両車のモデルチェンジの際にも継続された。

Vertrek(2011年)
Vertrek(2011年)

マスタング・コブラ・ジェット・ツインターボ(2012年)

カスタマー向けドラッグレース用車両、マスタング・コブラ・ジェットが2008年に復活し、2011年には5.0L V8エンジンを搭載したモデルが発売された。その後、スーパーチャージャー付きと自然吸気式の2種類が販売されることになったが、2012年のSEMAショーでは、これまでとはまったく異なるモデルが登場した。エンジンは同じだが、2基の小型ターボチャージャーを使用しており、単一の大型ターボチャージャーよりも素早く回転し、かつ十分なブーストを発生させた。

アイデアとしては良かったが、結局のところ何も成果は得られなかった。このコンセプトカーが消えた後、フォードはドラッグレーサー向けの過給機としてスーパーチャージャーにこだわり続けた。

マスタング・コブラ・ジェット・ツインターボ(2012年)
マスタング・コブラ・ジェット・ツインターボ(2012年)

(翻訳者追記:この記事で参照したフォードの公式サイト、『フォード・ヘリテージ・ヴォールト(Ford Heritage Vault)』には同社の市販車やコンセプトカーの画像、当時の資料などが数多く掲載されています。興味のある方はぜひ同サイトを訪れてみてください)

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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