強さを増す走りの輝き 6代目 フォルクスワーゲン・ポロ GTI(2) 乗り心地は格上サルーンを凌駕

公開 : 2025.06.30 19:10

ゴルフ GTIと同じ4気筒ターボを積むポロ GTI チェック柄クロスのシート 荷室はクラス最大級 不満ない207ps ギア比がショートなら一層の興奮 限界の8割くらいが特に満たされる UK編集部が試乗

不満ない207ps ギア比がショートなら一層の興奮

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIと同じ、EA888型 2.0L 4気筒ターボエンジンを積むポロ GTI。0-100km/h加速は、6.5秒でこなす。小変更後の2021年からは207psを発揮し、不満ない速さを披露する。

ただし、7速デュアルクラッチAT(DSG)のギア比はロング気味。最大トルクの32.5kg-mは1500rpmから湧出するため、グングン速度を乗せていくが、よりショートなら一層の興奮を誘えそうだ。6速MTなら、もっと。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)

エンジンは滑らかに回転し、6000rpmまではエネルギーが淀みなく放出される。反面、それ以上引っ張っても、ノイズの増大に対してパワーが追いつかない印象。こもったように抑揚の小さい排気音も、もう少し聴き応えが増すとうれしい。

7速DSGはマニュアル・モードでも、6500rpmのレッドラインより250rpmほど手前で自動的にシフトアップしてしまう。アクセルペダルを踏み込むと、自動的にキックダウンもする。ホットハッチとして、筆者は少しおせっかいに思えた。

格上サルーンを凌駕する乗り心地 回頭性は軽快

フォルクスワーゲンは、あえてシャシーをハードにしすぎなかった。高速道路を流してみると、一部の格上サルーンを凌駕するほど、しなやかな乗り心地を叶えている。郊外の道を積極的に走らせても、その流暢さは失わない。

感心するほどの落ち着きがありつつ、回頭性は軽快。フロントタイヤはグリップ力に優れ、スタビリティも高く、カーブへ臆せず突っ込める。ボディロールは小さく、アクセルとブレーキのペダルの加減で、テールを僅かに流すことも可能だ。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)

ホットハッチとして、ステアリングはもう少し重くても良いかもしれない。サスペンションは若干引き締めて、上下動の動きを制限しても良いだろう。大きなうねりのある区間では、バンプストッパーに当たる場面もある。

限界の8割くらいが特に満たされる

英国の自動車試験場、ミルブルックのハンドリング・コースでは、強い輝きを見せた。洗練度の高いサスペンションとコンチネンタル・タイヤとの組み合わせで、パチパチと弾けるのではなく、キラキラと落ち着いた様子で。

スタビリティ・コントロールを完全にはオフにできないものの、きついカーブでもシャシーの挙動は手に取るように理解できる。限界の8割くらいで飛ばしている時が、最もドライバーを満たしてくれる。リミテッドスリップ・デフがないのが惜しい。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)

燃費は、カタログ値で14.1km/L。動力性能を考えれば、悪くはない数字ではある。

装備は充実し、アダプティブ・クルーズコントロールや前後のパーキングセンサーが標準。バックカメラや車線維持支援機能も備わり、英国での価格は3万740ポンド(約599万円)から。新しいミニ・ジョン・クーパー・ワークスより、僅かに安い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

6代目 フォルクスワーゲン・ポロ GTIの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事