極私的トミカ、ホットウィール、マッチボックス考【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第8回】

公開 : 2025.06.25 17:05

1968年に登場した『ホットウィール』

お話変わって1960年代後半のアメリカ。マッチボックスなどと同様、安価で小さなミニカーのマーケットに向けて1968年に登場したのがアメリカの大手玩具メーカー、マテル社が送り出した『ホットウィール』です。

当時のカタカナ表記では『ホットホイール』。マッチボックスに代表される『実在するクルマを律儀に縮小再現する』というそれまでのミニカーとは全く異なり、架空のショーカーや激しいカスタムが施されたホットロッドといった、アメリカのカーカルチャーをそのまま落とし込んだ独自の世界観は、ミニカーの世界に大きな衝撃を与えました。

こちらはいかにもホットウィールらしいモデル一例。
こちらはいかにもホットウィールらしいモデル一例。    長尾循

結論から言えば、ホットウィールは商業的に大成功を収め、今なお盛況です。逆にその成功にあやかろうと、本来の個性を見失って迷走してしまった当時の欧州ミニカーメーカーの多くは、次第に衰退していった……というのが当時の私の印象です。

そんな変動する時代の中『身近な国産車のミニカーを日本の子供達に気軽に手にしてもらう』というコンセプトがぶれなかったトミカが、いまやワールドワイドな人気ブランドなのは嬉しいことです。

それぞれのブランドが持つ個性や歩んできた歴史

トミカ、ホットウィール、マッチボックスのミニカーは、いずれもミニカー専門店や玩具店などで入手可能です。一時期は世界最大級のミニカーブランドだったマッチボックスは、現在ではかつてのライバルだったマテル傘下で、往時のイメージを今に伝えるミニカーを展開しています。

子供の頃から慣れ親しんできた小さなミニカーにも、それぞれのブランドが持つ個性や歩んできた歴史などが垣間見え、興味深いものがあります。

同じフォルクスワーゲン・タイプ2でもマッチボックスとホットウィールではこれだけ別物。
同じフォルクスワーゲン・タイプ2でもマッチボックスとホットウィールではこれだけ別物。    長尾循

これら3ブランドのミニカーは、いまだに現行製品、絶版中古品を問わず、気に入ったモデルを見つけるとついつい買ってしまうのですが、個人的にはスピードホイール採用以前のマッチボックスが一番好みです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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