歴史へ名を残す金字塔 ポルシェ911 S/T:ベストポイント賞 AUTOCARアワード2025
公開 : 2025.07.31 19:05
2024年後半から2025年前半で、各カテゴリーのベストを称えるAUTOCARアワード スーパーカーからコンパクトカーまで、各部門を制した栄えあるモデルは? UK編集部が5台を選出
992世代では最軽量の911 S/T
AUTOCARの試乗レポートで、満点といえる評価を得たポルシェ911 S/T。ここまでの高評価を得るモデルは、1年を通しても多くはない。比較のために、マニュアルの911 GT3にも乗ってみたが、間違いなく最高の仕上がりだといっていい。
多くの人が選べる911ではない。911 GT3 RS用のボディパネルやハードウエアを受け継ぎ、英国でのお値段は23万1600ポンド(約4586万円)。走行中のロードノイズは小さくない。しかし、それを超越したポルシェだといえる。

911 S/Tの車重は、僅か1380kg。2010年に登場した、ひと回り小柄な997型の911 GT3 RSより軽い。もちろん、992型では最軽量だ。
シングルマス・フライホイールと軽量クラッチの採用や、GT3には備わる後輪操舵システムの省略、フロントフェンダーやアンダーボディ・ブレースのカーボンファイバー化などで、その車重を実現している。ショートレシオの6速MTも貢献している。
フェラーリのV12に並ぶ傑作ユニット
エンジンは、9000rpmまで回る4.0L水平対向6気筒。自然吸気でありつつ、525psもの最高出力を得ている。フェラーリのV型12気筒に並ぶ、傑作ユニットだと表現できる。
レブリミットへ鋭く吹け上がり、レスポンスは即時的。排気ガスを浄化する微粒子フィルターは組まれるが、現在の量産車の中で、ひときわ甘美なサウンドを響かせる1基だろう。ポルシェのGT部門が手掛けた、サスペンションも特別だ。

かくして、公道で911 S/Tを解き放てば、至福の体験が待っている。ただし、明確なシリアスさには、慣れるまでに少しの時間が必要ではある。エンジンは度肝を抜かれるほど鋭敏に回り、フロントノーズは間髪入れず旋回するから。
対してデフォルト・モード時のダンパーは、柔らかすぎるように最初は思える。911 GT3と比べると、ボディの傾きは一段大きい。シャープでパワフルなエンジンにMTの組み合わせだから、積極的なシフトダウンには練習が必要になる。
一般道で浸れるドライバーズカー
それでも、ひとたび習得すれば、近年では最も懐の深い操縦性を持つ911であることが見えてくる。一般道で浸れるドライバーズカーとして、理想的な自由度にある。
ステアリングの反応に、フロントタイヤの粘り、サスペンションの屈伸への理解度が深まるほど、意のままに操れる才腕も顕になる。流暢に路面へ追従しつつ、身のこなしへ無駄はない。落ち着いた挙動でありつつ、表現力は極めて豊かだ。

スーパーカー級の特別さを醸しつつ、明確に扱いやすい。最先端の技術で構成されつつ、オールドスクールな味わいも濃い。素晴らしい人間工学によって、秘めた能力を引き出しやすくもある。信じられないほど、ピュアなポルシェだと思う。







































































































































































