「付き合いやすい人じゃない」赤毛の男 メカニックたちの再会 クームズ・チューン・ジャガー(3)
公開 : 2025.09.13 18:05
最古参ディーラー、クームズ&サン社のチューニング・ジャガー チャップマンも1勝を掴んだMk1 市販サルーン最速といえたMk2 フェラーリ500に勝ったEタイプ UK編集部が3台をご紹介
気難しい赤毛の男、ジョン・クームズ
今回の取材へご協力いただいた、ピーター・ヒューゴ氏の声がけで、クームズ&サン社の元メカニックが久々の再会を果たした。歴史の証人といえる人ばかりだ。
ケン・ベル氏は、1958年に見習いとして入社したが、リチャード・グリモンド氏とデイブ・ターナー氏も自身のキャリアを同社でスタートさせている。マイク・リーチ氏は、Eタイプのチューニングに携わった日々を回想する。

「現場の主任は、ジャック・チャンドラーさん。彼が最初に口にしたのは、赤毛の男が来ると何かコトが起きるんだよね、でした」。と振り返るのは、ゴードン・ランブリー氏。その赤毛の男こそ、気難しいジョン・クームズ氏だ。
「例えばショールームで立っていると、何しているんだ君、一緒に来なさい、と話しかけられ、社内を色々連れ回すんです。ところがしばらく経つと、ここで何してるんだ、君は?と注意してくるんですから」
すべてやり直したツートーン塗装
塗装ブースに持ち込まれた、ジャガーMk IXもランブリーは振り返る。「下半分を艶あり、上半分を艶無しのツートーン・ブラックで塗り分ける仕事でした」
「マット塗装は油っぽい手で触れないよう、注意が必要です。ところが、別のスタッフが触っちゃったんです。もちろん、すべてやり直しに」

ミック・モーティマー氏が笑う。「自分は事故車の解体中に、指を切る軽い怪我をしたことがありました。応急処置の担当だったチャンドラーさんへ絆創膏を貰いに行くと、彼にドライバーで指を弾かれましたね。二度とするなよって、注意しながら」
ロールスロイスのボンネットが落下し、指を切断したスタッフもいたとか。「騒ぎが落ち着いた後で、チャンドラーさんが静かに話したことが忘れられません。もし興味があるなら、彼の指はオフィスの封筒に入っているよ、って」
情熱的な人ばかり 特別な雰囲気があった
モーティマーが続ける。「クームズ&サン社の連中は、情熱的な人ばかり。独特の雰囲気があって、あの場所で働けることが特別だと実感していました」
「クルマが整備に入ると、最高速度を出せるか、必ず確認するよう指示を受けたんです。Eタイプでは、240km/hでぶっ飛ばしましたよ。上司だった1人は、メルセデス・ベンツの試走中に橋へ衝突し、フロアが抜けるほどの大破で命を落としていますが」

キッパー・ハスケル氏は、厳しく公平な判断でスタッフをまとめた、クームズとの思い出に頬を緩める。「南部の港に停泊させていた、彼のボートの整備を頼まれたことがあります。ジャガーDタイプを飛ばして、プラグの焼け具合の確認を頼まれたことも」
「確かにクームズさんは、付き合いやすい人ではなかった。喧嘩して、仕事を4日休んだことも思い出しますね。でも、凄く面倒見は良かった。最初に自分の家を買った時には、資金を貸してくれたんですから」














































































































