マツダなど4社が次世代バイオディーゼル体験会開催!今こそ理解しておきたい現状と課題【EVに代わるものではない】

公開 : 2025.09.01 12:05

欧州への出遅れ

さて、電力をつくる方法は、北欧では太陽光、風力、水力など再生可能エネルギーが基本だが、ドイツなどでは化石燃料由来の火力発電は全体の半分程度であるのに対し、日本は7割と高い。

将来的には再生可能エネルギー+EVやFCEVが最適解に思えるが、そこまでの移行期は既存のエンジンを活用してカーボンニュートラルに貢献する液体燃料が必要となる。

平野石油が展開する次世代バイオディーゼルの給油機。その場で給油デモを行った。
平野石油が展開する次世代バイオディーゼルの給油機。その場で給油デモを行った。    平井大介

ガソリンについては、食物等に由来するエタノールを混合したガソリンが普及していているが、ディーゼル車についてはバイオ燃料が有効だ。以前は、廃食油にメタノールを反応させて軽油に近い性質の『FAME(フェーム)』があり、これが『バイオディーゼル(燃料)』だ。

近年では廃食油を水素と反応させる『HVO』が主流で、これを『次世代バイオディーゼル(燃料)』と呼ぶ。今回体験会を合同で行ったマツダによれば、HVOはエネルギー密度が高く、FAMEで課題だった材料腐食の心配がないという。

すでに欧州では、『HVO100』を販売するガソリンスタンドが多数あり、価格は政府等からの補助金で軽油とほぼ同等だ。

一方、日本は地方税制などの法的な課題があり、HVOを軽油に51%混合した『HVO51』が、同じく体験会を共催した『ユーグレナ』等から販売されている。ただし、現状で行政からの補助金などがないため、価格は軽油の3〜4倍と高い。

それでも、先に説明したESG投資の観点で、様々な企業がHVO51を導入したり、導入を検討しているところだ。HVOの先行導入事例として、今回もバスを展示したいすゞがある。

今回の体験試乗会をキックオフに、日本での次世代バイオディーゼル普及を期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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