EV初「Fスポ」登場 小改良 レクサスRZ(1) ステアバイワイヤ獲得 最大568kmの新ハードとは?

公開 : 2025.09.16 19:05

Fスポーツが追加されたRZ 前輪駆動の350eは1充電で568km 一体感へ効果的な疑似MT ステアバイワイヤも導入 驚くほどの快適性 上品なSUVをお望みならモデルYより好印象 UK編集部が試乗

レクサスのEVとして初めてFスポーツ登場

SUVとはスポーツ・ユーティリティー・ビークルの略だが、レクサスRZのプレス向け資料では、スポーティさへ殆ど触れられていなかった。他にはない、操縦性や快適性の提供を目指したという。

モデル中期の小改良を受けた2025年仕様でも、そのコンセプトは変わらないはず。とはいえ、トップグレードの最高出力は407psへ上昇。航続距離も大幅に伸びている。さらにレクサスのバッテリーEVとして初めて、Fスポーツ仕様が設定された。

レクサスRZ 500e(欧州仕様)
レクサスRZ 500e(欧州仕様)

ライバルは、日産アリアヒョンデアイオニック5から、アウディQ6 e-トロンやテスラモデルYまで多様。今回の改良で、訴求力は確かに上昇したといえるのか、最新ハードを確認してみよう。

前輪駆動のRZ 350eなら1充電で568km

スタイリングは、従来とほぼ同じ。スッキリ整った美形といえ、誘目性は高い。テールゲート上には、角のようなスポイラーが伸びる。全長4805mm、全幅1895mmあるが、実際以上に小柄に見えることも特徴だろう。

他方、2025年仕様での大きな違いは、その内側にある。駆動用バッテリーは77.0kWhへ増量し、新しい冷却システムと充電に備えた事前コンディショニング機能を獲得。車載のAC充電器も強化された。ただし、最大150kWの急速充電能力は変わらない。

レクサスRZ 500e(欧州仕様)
レクサスRZ 500e(欧州仕様)

その結果、シングルモーターで前輪駆動のRZ 350eの場合、航続距離は1割以上伸びて568km。ツインモーターで四輪駆動の500eでも、484kmがうたわれる。

ステアバイワイヤ・システムも導入

洗練度の磨き込みにも余念はない。フロアの接着剤やモーターマウントなどの改善で、振動や騒音の抑制に務めたという。

サスペンションは、前側のブッシュと前後のダンパーを改良。ブレースを追加しボディ剛性も高めたことで、従来以上の操縦性が与えられている。

レクサスRZ 550e  Fスポーツ(欧州仕様)
レクサスRZ 550e Fスポーツ(欧州仕様)

新設定のグレードが、RZ 550e Fスポーツ。これには、操縦桿風のステアリング「ヨーク」を備え、電気信号でフロントタイヤを操舵するステアバイワイヤ・システムが、英国で提供される量産車として初採用された。擬似的な変速システムも実装される。

また、ホイールは20インチに。エアインテーク付きの専用バンパーやディフューザーなどで差別化され、「Fスポーツ」であることを主張する。

インテリアは最大の強み 実用性も高い

インテリアは、RZ最大の強み。レクサスらしい、快適性と高級感が醸し出されている。上級グレードは、柔らかいレザーと現代的な印象の素材で巧みにコーディネート。シートを包むウルトラスエードや合成皮革も、肌触りがよくモノの良さが伝わってくる。

グレードを落とすと、レザーの質感が下がりプラスティックそのままの部分は増えるが、クラス最高水準といっていい。足元を温める赤外線ヒーターは、電気の消費を抑えつつ、ひざ掛けのように暖を取れる。グローブボックスは塞がってしまうけれど。

レクサスRZ 500e(欧州仕様)
レクサスRZ 500e(欧州仕様)

ダッシュボード上には、14.0インチのタッチモニター。エアコンの操作も集約されているものの、スマートフォンのように扱いやすい。これと比べると、メーター用モニターは表示が荒く見えてしまう。

前後の席とも空間は広々。同クラスでは、実用性は高い部類に入るだろう。フロントのボンネット下に収納はないとはいえ、荷室も広く、床下には充電ケーブルをしまえる。

走りの印象とスペックは、小改良 レクサスRZ(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    役職:常勤ライター
    クルマだけでなく、英国のローカルニュースとスポーツ報道にも精通し、これまで出版物、ラジオ、テレビなど、さまざまなコンテンツ制作に携わってきた。フォルクスワーゲン・グループの小売業者向けニュースウェブサイトの編集者を務めた後、2021年にAUTOCARに移籍。現在はその幅広い経験と知識を活かし、主にニュース執筆やSNSの運営を担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、トヨタGRヤリス。一番のお気に入りだ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

小改良 レクサスRZの前後関係

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