アリゾナの乾いた大地で見つけたクラシックな廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.10.19 11:45

キャデラック・エルドラド(1973年)

この1973年式エルドラド・コンバーチブルは、部品取りのために分解中だった。1970年代初頭までに、市場に出回る米国製コンバーチブルの数は減少していた。この個体が生産ラインを離れた3年後、1976年のエルドラドは「最後の米国製コンバーチブル」と銘打たれた。

このため多くの人が投機目的で購入したが、1984年にキャデラックがソフトトップのエルドラドを再発売した際には、彼らはあまり喜ばなかったようだ。

キャデラック・エルドラド(1973年)
キャデラック・エルドラド(1973年)

ポンティアックサンバード(1976年)

数年前までは、ポンティアック・サンバードのような現代的なモデルを撮影対象に選ぶことは考えられなかった。しかし、この初代モデルは今や40年以上が経過しており、現存している数も特に多くはないようだ。

この2ドア・セダンの個体は1976年に5万2031台生産されたうちの1台で、デザート・バレー・オートパーツではレストア用として販売されていた。

ポンティアック・サンバード(1976年)
ポンティアック・サンバード(1976年)

クライスラー・インペリアル(1971年)

デザート・バレー・オートパーツは、間違いなくわたし達取材班が出会った中で最も管理の行き届いた廃車置き場の1つで、すべての在庫がきちんと分類されている。全車両に6桁のコードが記されており、最初の2桁が製造年、最後の4桁が個々の識別番号を示している。

製造年が分かれば、車両の特定ははるかに容易になる。とはいえ、このクライスラー・インペリアル・ルバロン4ドア・ハードトップのフロントガラスに書かれた「73」という数字には少々困惑した。明らかに1971年式に見えるからだ。

クライスラー・インペリアル(1971年)
クライスラー・インペリアル(1971年)

リンカーン・タウンカー(1976年)

このリンカーンの栄光は、残念ながらはるか昔に過ぎ去った。色褪せた塗装、剥がれかけたルーフ、へこんだホイールから判断すると、この場所にある多くの車両と同様、長い間動かされていなかったのだろう。

リンカーン・タウンカー(1976年)
リンカーン・タウンカー(1976年)

フォード・サンダーバード(1964年)

この1964年式フォード・サンダーバードは実に美しいクルマだった。少し手入れして、新品のタイヤ4本とビニール製のルーフを交換すれば、クラシックカーショーに出ても遜色ないだろう。廃車置き場で朽ち果てるには、あまりにも良すぎる1台だった。

1964年は第4世代サンダーバードの発売初年度であり、生産台数9万3465台を記録した最盛期でもあった。

フォード・サンダーバード(1964年)
フォード・サンダーバード(1964年)

フォード・マーベリック(1977年)

デサート・バレー・オートパーツの在庫番号によれば、このフォード・マーベリックは生産最終年の1977年に出荷されたようだ。この4ドア・セダンは9年間で計210万台が生産されたが、この最終年は5万8420台にとどまった。

フォード・マーベリック(1977年)
フォード・マーベリック(1977年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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