【連載:遠藤イヅルのB11型日産サニーカリフォルニア再生&快適化計画】#2 くたびれたシートをなんとかしたい!

公開 : 2025.10.03 11:45

昭和な雰囲気に大満足……でも?

そのポイントは、『リヤー分割』。B11型サニーカリフォルニアはリアシート背もたれが50:50の可倒式なので、左右一体のシートカバーだとその機能を失ってしまうのですね。

このシートカバー、適合車種を見ると『NewコスモL』や『ファミリアX508』などが並んでいます。前者は2代目マツダ・コスモのノッチ付きクーペで、『New』とあるので1979(昭和54)年にマイナーチェンジを受けたモデルかと思います。後者の『X508』とは、一斉を風靡したFFファミリアになる前のモデルですね。

別体のヘッドレストに適合するタイプですが、シートカバー自体は一体型なので、ヘッドレストの取り外しはできなくなってしまいます。
別体のヘッドレストに適合するタイプですが、シートカバー自体は一体型なので、ヘッドレストの取り外しはできなくなってしまいます。    遠藤イヅル

同じく適合車種にあった『クレスタ』も1980(昭和55)年登場なので、だいたいその頃の製品かと推測されますが、カバー自体のデザインやパッケージ自体は古く、発売開始は昭和40年代後半という印象です。1982(昭和57)年登場のB11型サニーとは微妙に時代が異なりますが、まあいいとしましょう。

装着中の写真がなくて恐縮なのですが、取り付けはシートカバーから伸びた紐にSカンをつなぎ、そのSカンをシート側に引っ張って適当な場所に掛けるという方法で、ズバリ難易度は高め(面倒ともいう)。『リヤー分割』という謳い文句の通り、リアシートにはバッチリ装着でき、さらにぴったり具合も良好でした。

でも、白い生地はとても薄いので、せっかく付けたカバーなのに擦れてすぐダメになりそうな予感もします。汚れても洗えるようですが、外してまた付け直すのは正直もうやりたくないです(笑)

とはいえ、座りたくないような状態だったシートが一気に清潔な雰囲気に。しかもレトロ感、昭和末期感も獲得して大満足です。そうなると俄然、運転席のヘタリが気になってくるのでした。再生・快適化の道はまだまだ長く、険しいですね。

次回も、引き続き内装のお話をする予定です。

(当連載は不定期掲載ですが、主に金曜日お昼頃に公開予定となります)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

遠藤イヅルのB11型日産サニーカリフォルニア再生&快適化計画の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事