【連載:遠藤イヅルのB11型日産サニーカリフォルニア再生&快適化計画】#1 オリジナル状態に戻したい!

公開 : 2025.09.19 12:05

イラストレーター兼ライターの遠藤イヅルが、1985(昭和60)年式『日産サニーカリフォルニア』の『再生』と『快適化』をレポートする不定期連載をお届け。第1回は『購入の理由と購入時に行ったこと』を記します。

不人気ゆえに安い、B11型サニー

こんにちは、イラストレーター兼ライターの遠藤イヅルです。このたび新たに、現在所有している1985(昭和60)年式『日産サニーカリフォルニア』の『再生』と『快適化』をレポートすることになりました。まずは、連載第1回として購入の理由と購入時に行ったことを記します。

1993年に免許を取得して以来、基本的にはフランス車を中心に乗り継いできたのですが、ここ数年は国産旧車を選ぶようになりました。2025年夏現在では、日産が座間工場でノックダウン生産していた1988年式『フォルクスワーゲン・サンタナXi5アウトバーンDOHC』と、1985年式『日産サニーカリフォルニア1500SGL』を所有。酷暑、猛暑もなんのその、日常や仕事のアシとして活躍中です。

フェンダーミラーが旧車感を増す、レポート車のB11型1985年式日産サニーカリフォルニア。
フェンダーミラーが旧車感を増す、レポート車のB11型1985年式日産サニーカリフォルニア。    遠藤イヅル

サニーカリフォルニアといえば、ほとんどの人が黄色い車体にウッド風の装飾が巻かれたB310型を思い浮かべると思いますが、ぼくのはその後の、サニーとしては初のFFを採用したB11型と呼ばれる世代にあたります。

FF化の恩恵で車内は格段に広くなり、新開発のOHCエンジンで好燃費もマーク。B310を上回るヒット作となったのですが、現在では、ボディの弱さやB310型に比べて趣味性が薄いことなどからほぼ絶滅状態。中古車市場のみならず、旧車のイベントでも見かけることがほとんどありません。

そのため、一部旧車の相場が驚くほどの高騰を見せる中、B11型はとてもリーナブルに手に入る旧車のまま推移しています(まあ、ズバリ言ってしまえば人気がないということなんですが)。

できることからやってみよう

このサニーカリフォルニア自体は、とある中古車ショップで売られていたもの。走行距離は約12万km、塗装は綺麗ながらも内装はボロボロでしたが、機関各部に手が入っている様子があったのと、オートマ、パワステ、エアコン付きで普段使いが容易ということが決め手になりました。

あと、ぼくには『好きな年=コア年』というのがあり、それが1973、1978、1983年。昭和で言えば48、53、58年です。B11型サニーは1981年から1985年まで作られたクルマで、ぼくの個体は1983年のマイナーチェンジモデルですので、ズバリ『コア年』に合致するのも嬉しいところ。またB11型は、1970年代車の古典さと、1980年代車のモダンさを兼ね備える過渡期のクルマなのも刺さるポイントです。

購入前、ショップに置いてあった時の姿。510型ブルーバード用のホイールカバーを装着していた。
購入前、ショップに置いてあった時の姿。510型ブルーバード用のホイールカバーを装着していた。    遠藤イヅル

ところで古いクルマといえば、ドリンクホルダーなどの便利装備は少ないし、現代車に比べるといろいろ不便なところも多いですよね。しかもこの個体は前述のように内装がボロく、ほかにも手を入れたい箇所はいっぱい。

そこで、メカ音痴の自分ができる範囲で、少しずつ再生、快適化を進め、その様子を簡単なレポにまとめることになりました。

プロ整備士の方やアマチュアレストアラー、整備を日常的に行うユーザーから見れば、あまりにも初歩的な内容にかもしれませんが、旧車乗りの初心者の方や、旧車に乗っていて生じやすい悩みをお持ちの方にも、「役に立つなあ」と思ってもらえる連載をお送りできればと思います。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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