強烈なインパクトを残した3輪車 52選(後編) 今もマニアの心を掴んで離さない独特の世界観

公開 : 2025.10.25 11:45

グリナール・スコーピオンIII(1992年)

このモデルはスチール製の角管シャシーに、フォードのフロントサスペンションを搭載。パワートレインにはBMWのオートバイ用エンジンを採用した。造りは良く、運転が非常に楽しいクルマである。

グリナール・スコーピオンIII(1992年)
グリナール・スコーピオンIII(1992年)

コービン・スパロー(1996年)

マイク・コービンとトム・コービンが1996年にスパローを発表した当時、EVはまだ珍しい存在だった。スパローは単座のコミューターで、2003年までに約350台が生産された。この時点でコービンはガソリンエンジンの3輪車マーリンも導入していたが、廃業するまでに生産されたのはわずか12台だった。

コービン・スパロー(1996年)
コービン・スパロー(1996年)

カーバー・ワン(1997年)

3輪車は概して奇抜なものになりがちだが、カーバーはさらに一歩進んでいた。コーナリング時にボディが傾くため、常に転倒しそうに見える。2009年に会社が倒産するまでに、約200台が生産された。

カーバー・ワン(1997年)
カーバー・ワン(1997年)

メルセデス・ベンツF300ライフジェット(1997年)

メルセデスは非常に保守的な会社だが、コンセプトカーに関してはデザイナーに自由な発想を許している。このモデルでもそうだった。1.6Lエンジンを搭載した2人乗り3輪車で、最高速度は210km1/hに達した。

コンピューター制御でコーナリング角度を調整可能で、車体は最大30度まで傾く。おそらく乗客は降りる頃には気分が悪くなるだろう。

メルセデス・ベンツF300ライフジェット(1997年)
メルセデス・ベンツF300ライフジェット(1997年)

PAL-V(2004年)

PAL-Vは基本的に、先に紹介したカーバー・ワンを基にしたジャイロコプターである。地上走行モードでは100psのガソリンエンジンにより最高速度160km/hを実現する。飛行時には出力200psに倍増し、最高速度は180km/hに達する。しかし、一般販売は何度も延期されている。

PAL-V(2004年)
PAL-V(2004年)

プジョー20Cup(2005年)

プジョーは2005年、やや現実離れした印象の20Cupを発表した。プジョーの顔を持つ3輪車という実験的なコンセプトカーだった。見た目はかなり魅力的で、車両重量は500kg未満、最高出力170psのターボチャージャー付き1.6Lガソリンエンジンを搭載していたため、運転はとても楽しかっただろう。

プジョー20Cup(2005年)
プジョー20Cup(2005年)

フォルクスワーゲンGX-3(2006年)

フォルクスワーゲンが2006年のロサンゼルス・オートショーでGX-3を発表した際、これは単なるショーカーだと思われていた。しかし、いつもは保守的なフォルクスワーゲンだが、このときばかりは量産化を真剣に検討していた。ルポGTiと同じ1.6Lエンジンにより、0-100km/h加速5.7秒、最高速度200km/hを実現。だが、安全面での訴訟リスクを避けるため、プロジェクトは中止となった。

フォルクスワーゲンGX-3(2006年)
フォルクスワーゲンGX-3(2006年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

強烈なインパクトを残した3輪車 52選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事