T-ハイブリッドで磨いた最高峰 ポルシェ911 ターボS 超えるモデルが思い浮かばず

公開 : 2025.11.06 19:05

車重を忘れる精緻な操縦性 乗り心地も快適

これだけの装備を積むから、車重はリアシートなしで85kgも増えている。T-ハイブリッド関係で、65kgを占めるという。幅が325あるリアタイヤも、影響しているはず。

ただし、ポルシェの911ラインを率いるフランク・モーザー氏は、重量増加は殆ど感じないと主張する。実際、その通りだ。スペインの公道を走らせた限り、操縦性は極めて精緻。特に、適度にクイックで丁度良い重み付けのステアリングへ惹き込まれる。

ポルシェ911 ターボS(欧州仕様)
ポルシェ911 ターボS(欧州仕様)

アクティブ後輪操舵も、機能していることを忘れる自然さ。乗り心地も快適。ここに、完璧なレスポンスのハイブリッド・パワートレインが融合している。燃費は、普段使いで9.0km/Lに届かないとしても。

サーキットも走らせたが、サスペンションを引き締めた状態の、ピッチやロールが僅かに生じる姿勢制御は秀抜。若干のアンダーステアは、ブレーキングで調整できる。公道を外れた直後に疾走しても、シャシーはまったく動じない。まさに、意のままだ。

これを越えるモデルを思い浮かべられない

あらゆるシーンへ対応するハイパフォーマンス・モデル、911 ターボS。毎日の通勤から休日のワインディング、アウトバーンでの遠征、スキー場での休暇、本気のサーキット・イベントまで、すべてを驚くほどの能力でこなしてみせるはず。

ポルシェは、992.2型でも素晴らしい成功を導き出した。従来以上に運転が楽しく、快適で速い。世界最高峰のスーパーカーは、一層の高みへ達したといえる。これを超えるモデルを、筆者は思い浮かべられない。

ポルシェ911 ターボS(欧州仕様)
ポルシェ911 ターボS(欧州仕様)

◯:高性能EVへ劣らない加速力 高次元で魅力的な操縦性 天候不問で使える実用性
△:オプション抜きで約20万ポンド(約4080万円)とお高め ロードノイズは大きめ

ポルシェ911 ターボS(欧州仕様)のスペック

英国価格:19万9100ポンド(約4062万円)
全長:4551mm
全幅:1900mm
全高:1303mm
最高速度:321km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:8.6km/L
CO2排出量:262g/km
車両重量:1725kg
パワートレイン:水平対向6気筒3591cc ツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:1.9kWh
最高出力:711ps/6500rpm(システム総合)
最大トルク:81.4kg-m/2300-6000rpm(システム総合)
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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