【第14回】森口将之の『もびり亭』にようこそ:モーターショーがモビリティショーになった背景 #JMS2025

公開 : 2025.11.12 12:05

車両だけでなく、踏み込んだ展示も

一方、西展示棟の1階は、メーカーとシステムやサービスの会社が同居し、メインプログラムである東京フューチャーツアーでは、ジャンルもキャリアもさまざまな会社が多彩なテーマに沿って展示を行っていて、自動車業界とそれ以外の業界の融合を感じました。

西展示棟は東京ビッグサイトの中心にあり、中央ゲートから近く、中央にステージもあって、メイン会場と呼べる場所です。そこにこうした展示を持ってきたことからも、モビリティのショーにしていこうという主催者側の気持ちが感じられました。

ジャパンモビリティショー2025に展示されたAIM EVM。
ジャパンモビリティショー2025に展示されたAIM EVM。    森口将之

またメーカー展示が並ぶ東展示棟の奥も、自転車からキャンピングカーまでさまざまなタイプの乗り物が置いてあって、世界の広がりを感じました。

そんな中で、1台をピックアップするとしたら、AIM(エイム)のEVMになるでしょうか。

プロトタイプは2年前にも展示されましたが、かつて日産のチーフデザイナーを務めた中村史郎氏が率いるSN DESIGN PLATFORM担当のデザインが洗練されているうえに、マイクロEVの特性が生かせる沖縄を選び、販売やシェアなどを行う企業を立ち上げて地域振興につなげようというストーリーに好感を抱きました。

EVMは今年度のグッドデザイン賞で金賞を受賞しています。僕は今年度は審査委員ではありませんが、5000以上の応募から20だけ選ばれる金賞のひとつであり、デザイナーやクリエイターからの評価も高いことがおわかりでしょう。

モビリティとは移動可能性という意味であり、乗り物そのものの性能よりも人が安全快適に移動でき、その移動が生活や社会のためになるかが重要です。

その点でAIM EVMはモビリティそのものであり、今後も単に車両を作って見せるだけでなく、どんな場所でどのような人に使ってもらうかまで踏み込んだ展示をたくさん見たいと思っているところです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

森口将之の『もびり亭』にようこその前後関係

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