高みの極みに達した運転体験 BMW M2 CS(2) E46型M3 CSLを想起させる魅惑

公開 : 2025.11.20 18:10

M2に理想形といえるCS登場 3.0L直6は530psと66.1kg-m シャシーも強化 プレミアム感の高い内装 歴然の速さ 精緻で流暢、感覚的に豊かな操縦性 高速燃費は12.4km/L UK編集部が試乗

低域から極めてパワフル 歴代のM2で最速

本来の能力がすべて開放されたといえる、BMW M2 CS。ハードなサスペンションとエンジンマウントを採用し、標準のM2よりすべてがシャープでアグレッシブ、ダイレクトに変化した。どんな道を走っていても、タダモノではないと実感するはず。

3.0L直列6気筒エンジンは、完璧なバランス。始動直後から、より豊かなフィーリングでドライバーへ訴えかけてくる。チューニングとしてはM4 コンペティションに並び、扱いにくさはなく、たくましく滑らかで線形的。6000rpmまで、瞬で回る。

BMW M2 CS(英国仕様)
BMW M2 CS(英国仕様)

低域から極めてパワフルで、サーキットでシフトアップのタイミングを誤っても、ロスは最小限。ヘアピンの飛び込みでシフトダウンをサボっても、颯爽と脱出加速へ移れる。8速ATは、シリアスなデュアルクラッチATへ迫るほど有能だが。

標準のM2から50psと5.1kg-m増強され、軽量化と相まって、エネルギッシュさは歴然。公道では受け止めきれない能力ながら、稀のフルスロットル程度は充分に楽しめる、絶妙なところにある。0-100km/h加速は3.8秒が主張され、歴代のM2で最速だ。

精緻で流暢、感覚的に豊かな操縦性

操縦性の精緻さと流暢さ、感覚的な豊かさこそ、最大の魅力。普段使いの速度でも、手のひらには充分な感触が伝わりつつ、交差点では清々しいほど切れ味が良い。速度域を問わず、自信を持って操ることを可能としている。

大きな凹凸を通過しても、ボディが沈み込む挙動はない。波長の長い揺れが残るような仕草は影を潜め、タイトな姿勢制御を叶えている。それでいて衝撃吸収性に優れ、安定性に陰りが出ることもない。

BMW M2 CS(英国仕様)
BMW M2 CS(英国仕様)

サーキットへ持ち込めば、より高い速度域でコーナリングラインを巡れるだけでなく、コントロールもしやすい。リアアクスルのスライドも漸進的・自然で、アクセルペダルを滑沢に傾けていける。より振り回しやすく、懐が深い。

同時に、多様なドライブモードが用意され、スタビリティ・コントロールも有能。高速に無駄なく周回させることも、まったくの得意分野だ。

高速なら12.4km/L 価格に見合う能力

タイヤは、ミシュラン・パイロットカップ2が標準。サーキットのタイムを積極的に削りたい本気のドライバーには、素晴らしい性能で応えるはず。だが、普段使いや週末の峠道も満遍なく対応できるゴムとしては、パイロットスポーツの方がベターだろう。

今回の試乗では、高速道路を巡航させて12.4km/Lの燃費が得られた。1度の満タンで、550km程先を目指せる計算になる。

BMW M2 CS(英国仕様)
BMW M2 CS(英国仕様)

お値段は、英国では9万2475ポンド(約1887万円)から。カーボンセラミック・ブレーキを組めば、10万ポンド(約2040万円)を超えるが、この金額へ見合う能力を秘めると、筆者は主張したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

BMW M2 CSの前後関係

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