2000年代を代表するハイパフォーマンスカー 30選(前編) 世界中のドライバーに憧れを抱かせた名車

公開 : 2025.12.28 11:05

BMW M5 E60(2005年)

当時、小型Mモデルに4.0L V8を無理やり詰め込む発想は確かに狂気じみていたが、M5に起きたことに比べれば大したものではない。

4代目となるE60型M5は2005年に登場した。しかし、先代モデルが4.9L V8という巨大なエンジンを搭載していたため、M部門はそれを上回る特別なエンジンを開発しようと考えた。その結果、E60にはF1技術を応用した5.0L、507psのV10エンジンが搭載されたのだ。セダンとステーションワゴンの両ボディで販売されたE60 M5は、BMW史上最高かつ最も狂気じみた製品の1つとして歴史に刻まれている。

BMW M5 E60(2005年)
BMW M5 E60(2005年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「完成度の高い魅惑的なクルマであり、世界最高とすら言えるかもしれない」

ブガッティ・ヴェイロン(2005年)

2000年代を代表する名車、いや史上最高の名車はブガッティ・ヴェイロン抜きでは語れない。長く苦難な開発の末に2005年にようやく量産バージョンが初公開され、故フェルディナント・ピエヒ氏の指揮下でフォルクスワーゲン・グループが成し得た究極の技術ショーケースとなった。

フランス・モルスアイムのブガッティ工場で生産されたヴェイロン16.4は、クルマにおける数々の新基準を打ち立てた。8.0Lのクワッドターボチャージャー付きW16エンジンは1015psを発生し、冷却には10基ものラジエーターを必要とする。この驚異的なパワートレインは、7速デュアルクラッチ式オートマティック・トランスミッションと四輪駆動システムと組み合わされ、2005年にドイツのエーラ・レッシエン試験場で407km/hの最高速度記録を樹立。当時世界最速のクルマとなった。2009年にはオープンモデルのグランスポーツ(写真)が発売された。

ブガッティ・ヴェイロン(2005年)
ブガッティ・ヴェイロン(2005年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「筆者は2002年のアウディのル・マン優勝車も、900psのジャガーFLも運転したことがある。しかし、山道という環境ではヴェイロンの方が明らかに速く感じる」

シボレーコルベットZR1 C6(2009年)

2005年に初登場したC6世代のコルベット。シボレーは高性能バージョンの開発に際し、驚くほど現代的で洗練されたコンポーネントを採用した。その究極の例がC6 ZR1である。

「ブルーデビル」のコードネームで開発されたZR1は、最高出力647psと最大トルク83.5kg-m発生するスーパーチャージャー付き6.2L V8エンジン『LS7』を搭載し、6速マニュアル・トランスミッションと組み合わせている。さらにルーフ、ボンネット、フロントフェンダーはカーボンファイバー製、サスペンションはアルミニウム製であり、コルベットとしては歴代初となる磁性流体ダンパーも採用された。

シボレー・コルベットZR1 C6(2009年)
シボレー・コルベットZR1 C6(2009年)

AUTOCAR英国編集部の評価:「GMがこれまでに生産した中で最速、最強、最高額のこのクルマは、コルベットの新たな定番と言える」

(翻訳者注:この記事は「中編」に続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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