ネット上にもほぼ情報がない「隠れ名所」で見つけたクラシックカー 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.12.21 11:45

マーキュリー・モントレー(1956年)

この希少価値の高い1956年式マーキュリー・モントレー「ウッディ」も、乾燥した気候の恩恵を受けている。つまり、金属も木材も腐食を免れているのだ。

モントレーという名称は1952年から1974年まで使用され、2004年にはミニバンとして復活した。

マーキュリー・モントレー(1956年)
マーキュリー・モントレー(1956年)

フォード・ランチェロ(1973年)

訪問時、この1973年式フォード・ランチェロ500はヤードオーナーが運転中に事故を起こし、渓谷に逆さまに落下したと聞いた。車両の状態から判断すると、生存できたのは奇跡的な幸運だったと言える。

ランチェロ・クーペユーティリティ、あるいは1973年の販売資料で「ピックアップカー」と称され、1957年から1979年まで生産された。1973年時点で6代目となっていた。

フォード・ランチェロ(1973年)
フォード・ランチェロ(1973年)

フォード・ギャラクシー(1960年)

宇宙開発競争に熱狂する米国国民を前に、当時のフォードのマーケティング部門が『ギャラクシー』と名付けたのは天才的な発想だった。

このモデルは1959年に登場したが、写真は1960年式で、まったく新しいスタイリングが採用されている。大きな特徴は2つあり、Aピラーが外側ではなく内側に傾斜している点(乗り降りを容易にした)と、半円形のテールランプである。

フォード・ギャラクシー(1960年)
フォード・ギャラクシー(1960年)

プリムス・ベルベディア(1959年)

1958年式プリマス・ベルベディアの2ドア・ハードトップは、1983年の映画『クリスティーン』(スティーヴン・キング原作)で主役を演じたことで有名になった。当時はプリムスの最上級車種だったが、この個体が生産された翌年にはフューリーに王座を奪われている。この状態の良い個体には、興味深い経年変化が見られる。

プリムス・ベルベディア(1959年)
プリムス・ベルベディア(1959年)

リンカーン・コンチネンタル(1966年)

この1966年式リンカーン・コンチネンタル4ドア・セダンがジャンクヤードに持ち込まれたのは、おそらく軽い接触事故が原因だろう。確かに修理費は高額だったかもしれないが、これほど見事なクルマならその価値はあったはずだ。7.6L V8エンジンを搭載し、1/4マイルを17秒で走破できた。2397kgという重量を考えると驚異的な数値だ。

リンカーン・コンチネンタル(1966年)
リンカーン・コンチネンタル(1966年)

リンカーンEL(1949年)

こちらも保存に値するリンカーン、1949年式のELシリーズ4ドア・セダンだ。1949年から1951年にかけて生産され、マーキュリー・エイトとボディの大半を共有し、見た目も確かに似通っていた。特徴的なのは窪んだヘッドランプだ。ELは、リンカーンとしては約20年ぶりにV12ではなくV8を搭載した。

リンカーンEL(1949年)
リンカーンEL(1949年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

「隠れ名所」で見つけたクラシックカー 40選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事