世界屈指の施設 フォルクスワーゲン博物館の見どころ(中編) デューンバギーからカウンタックまで

公開 : 2026.01.03 11:25

キャデラック・エルドラド・ビアリッツ(1959年)

単なるクルマというよりも、1950年代の米国文化を具現化した存在と言えるキャデラック・エルドラド。車体後部から突き出た、奇抜で圧倒的なフィンに目を引かれる。ただ眺めているだけで幸福になれる……。

1956年から1960年まで、キャデラックはハードトップとコンバーチブルの両モデルを生産し、それぞれに『セビル』と『ビアリッツ』の名称を与えた。ビアリッツの名は後に、1977年モデルの上位グレードにも使用された。

キャデラック・エルドラド・ビアリッツ(1959年)
キャデラック・エルドラド・ビアリッツ(1959年)

シボレー(1954年)

ホワイトウォールタイヤが似合うクルマは少ない。だが、1954年モデルのシボレーにはこれ以上ないほどぴったりだ。

シボレー(1954年)
シボレー(1954年)

DKW SS600(1930年)

アウトシュタットは四輪車だけではない。バイクもいくつか展示されている。この見事な1台は、ダンプフ・クラフト・ワーゲン(DKW、蒸気駆動車という意味)が生産したもので、水冷式の2気筒二ストロークエンジンSS600を搭載し、最高出力22psを発生する。

特筆すべきは、このSS600エンジンの派生型が、1931年にドイツ初の量産前輪駆動車となったDKW F1や、曲技用飛行機にも採用されたことだ。

DKW SS600(1930年)
DKW SS600(1930年)

ポルシェ911(1982年)

1963年に初登場したポルシェ911は、時代を経てもほとんど変わらぬ不朽の名作だ。このリアエンジンの2ドア・スポーツカーに欠点などほとんどない。

ポルシェ911(1982年)
ポルシェ911(1982年)

フォルクスワーゲン・ゴルフW12-650(2007年)

車名の650は出力数値(650ps)を示す。ゴルフとしては驚異的なパワーであり、史上最強のゴルフとなっている。W12-650は、2007年のGTIミーティング「ヴェルターゼー」で初公開された。ベントレーから流用したミドシップW12エンジン、6速オートマティック・トランスミッション、カーボンファイバー製ルーフ、ダウンフォースを発生させるディフューザーを搭載。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は約325km/hを誇った。

W12-650は世界に1台しかなく、極めて貴重な存在であることは間違いない。ただし、価格は推測するしかない。価格表示欄には「試作車、非売品」とだけ記されている。

フォルクスワーゲン・ゴルフW12-650(2007年)
フォルクスワーゲン・ゴルフW12-650(2007年)

アウディ・クワトロ(1981年)

この画期的な四輪駆動車はラリー界に革命をもたらし、数多くのファンを惹きつけた。こちらは初期生産型クワトロの1台だ。

アウディ・クワトロ(1981年)
アウディ・クワトロ(1981年)

フォルクスワーゲンUp!(2012年)

クワトロの隣には何を展示すべきだろう? アウトシュタットのキュレーターが選んだのは、北米以外の多くの市場で販売された都市型車、Up!だ。将来、Up!がクワトロほど愛される存在になるとは思えないが、小型車のデザインへの影響は計り知れない。

フォルクスワーゲンUp!(2012年)
フォルクスワーゲンUp!(2012年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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